ｉＰＳ細胞から心筋細胞移植−阪大、18年にも臨床研究

大阪大学がヒトの心臓にｉＰＳ細胞（人工多能性幹細胞）由来の心筋細胞を移植する臨床研究を２０１８年前半にも始めることが１９日、わかった。阪大大学院医学系研究科の澤芳樹教授らが、京都大からｉＰＳ細胞の提供を受け実施する。国への届け出を行い、臨床研究を始める。

心不全の治療法は現在、患者の筋肉から採取した筋芽細胞から細胞のシートを作成し、心不全に陥った心臓表面に貼り付けていた治療法が一般的。ただ、緊急を要する虚血性心筋症患者に対して筋芽細胞で治療効果が認められないという課題があった。澤教授らはすでに、虚血性心筋症で心臓機能が低下した豚で、ｉＰＳ細胞由来の心筋細胞シートを移植し心臓の機能改善に成功している。