[ 機械 ]

第47回機械工業デザイン賞(2)最優秀賞(経済産業大臣賞)ヤマザキマザック

(2017/7/31 05:00)

  • 開発陣はひんぱんに話し合って課題を解決していった

【長尺パイプ/形鋼専用3次元レーザ加工機 3D FABRI GEAR 400III】

大型ビルや構造物の建設資材や、建設機械などの筐体(きょうたい)に使われるパイプ材、H形鋼などをレーザーで切断する製品。2020年の東京五輪・パラリンピックを控えた都心再開発による建設ラッシュで、これらを効率的に加工する需要が高まっている。

それに応えるのが、さまざまな材料が混在していても連続で加工できる仕組みだ。それにより加工時間を短くできるため、生産コスト削減につながる。多品種少量を自動で生産できる。岡田聡常務執行役員技術本部本部長は「パイプ加工のルールを変える製品になる」と期待する。

連続加工を実現したのは、材料を加工ユニットへ搬入するコンベヤーと、加工時のコンピューター数値制御(CNC)装置を改良したためだ。

従来製品は同じ材料しか搬入できなかったが、新開発のチェーン式コンベヤーで複数の材料を同時に搬入できるようにした。搬入本数も増やし、従来製品はどの材料、直径でも5本までだったのを、直径20ミリメートルなら40本まで可能にした。

同時に搬入できるのは、どの材料も正しい位置にまっすぐに並ぶようにしたことが大きい。特に苦労したのが丸パイプで、所定の位置に納まらずに転がってしまうのを防ぐ機能をコンベヤーに付与した。渡辺正剛技術本部商品開発3部部長は「最大のポイントだった」と振り返る。

CNC装置には「スケジューラ」と呼ぶ、材料ごとの加工順番をあらかじめ入力する機能を持たせた。入力内容に基づき、複数の材料を正しい順番で加工できる。順番が間違えている場合は、警告表示して稼働を止める。

これらの機能を実現するために、製品のハードウエア担当者とCNC装置担当者は、デザインレビューと呼ぶ話し合いを頻繁に行った。

開発中にうまくいかないとき、両者の視点、意見を通わせることで、解決していった。ハードとソフトウエアの融合が画期的な製品を誕生させた。(名古屋・戸村智幸)

(2017/7/31 05:00)

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