[ 科学技術・大学 ]

食行動の制御たんぱく質と作用受容体、東大などが発見

(2017/8/30 05:00)

  • 概念図:LURY-1 ペプチドは活発な摂食時に咽頭のM1/M2 神経から放出され、咽頭のMC 神経に働いてフィードバック的に咽頭の餌取り込みを抑制するとともに寿命を延長する。一方RIH 神経に働き、セロトニンシグナルを介して産卵を促進する。(宮崎大学提供)

東京大学大学院理学系研究科の飯野雄一教授らは、体の中で特定の神経に作用し、食行動を制御する短いたんぱく質「ペプチド」と、それが作用する受容体を発見した。線虫を使った実験で明らかにした。ヒトを含む動物に共通した摂食制御の仕組みの解明や、生活習慣病予防などに応用が期待される。

宮崎大学、国立循環器病研究センター、久留米大学との共同研究。成果は29日、英科学誌イー・ライフに掲載された。

研究チームは、ペプチドが線虫の「咽頭」というエサを取り込む器官に存在する3個の神経で発現することを発見。さらに、エサを取り込み咽頭が活発に活動している際、全身に向けてペプチドが作用し、エサを取り過ぎないよう摂食を抑制していた。また、食べすぎを抑制することで、寿命の延長などにも機能していた。

飯野教授は「ヒトにも機能的に似たペプチドと受容体がある。ヒトの摂食行動の制御や健康の維持に、線虫の実験で得た知見を生かせる」と期待を述べた。

(2017/8/30 05:00)

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