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[ 科学技術・大学 ]
(2017/9/21 05:00)
宇宙ベンチャーでシンガポールを拠点とするアストロスケールは20日、地球付近に漂う小さな宇宙ゴミを計測する超小型衛星「IDEA OSG1」の機体を公開した。同衛星は0・1ミリ―10ミリメートルの宇宙ゴミを地球の高度600キロ―800キロメートルの楕円(だえん)軌道上で計測。微小な宇宙ゴミの分布や量のモデルを作り、宇宙機の防護設計や衝突被害の最小化に役立てる。ロシアのロケット「ソユーズ」で12月にも打ち上げる。
衛星は質量25キログラムで、大きさは38センチ×38センチ×60センチメートル。フィルム貫通型の微小センサーを搭載し、宇宙ゴミの衝突をほぼリアルタイムで検知する。標的となる微小な宇宙ゴミを衛星でとらえられる確率は年間数個程度。約2年間運用する。衛星の開発コストは数億円程度とみられる。
岡田光信最高経営責任者(CEO)は、「微小な宇宙ゴミに関するデータを欲しいという要請は多方面からある。現在は軌道上に多くの宇宙ゴミがあり、衛星を持つ企業や宇宙機関が自分の衛星を守ることが必要になる。宇宙ゴミ除去はビジネスとして成り立つだろう」と事業の意義を強調した。
(2017/9/21 05:00)