[ 科学技術・大学 ]

光量子コンピューター、東大が新方式考案 多数パルスで大規模計算

(2017/9/25 05:00)

光のパルスを操作して大規模な計算を効率良く高速で行う光量子コンピューター方式を考案したと、東京大学の古沢明教授と武田俊太郎助教が米物理学誌フィジカル・レビュー・レターズ電子版に発表した。現在の装置は大き過ぎて多数をつないで計算するのが難しいが、計算の種類を瞬時に変えて光パルスを次々に周回させることで、多数の装置に匹敵する性能を生み出すという。

古沢教授は「計算の誤りを自動的に訂正する仕組み以外は、全て解決した。今後、実際の装置の開発に取り組む」と話している。

現在のコンピューターは半導体で電気信号を制御し、2進法で0か1の「ビット」を情報の単位とする。一方、量子コンピューターは0と1を重ね合わせた「量子ビット」を単位とするため、計算処理性能が飛躍的に高くなる。

古沢教授らが2013年に開発した光量子コンピューターの基本的な仕組みは、入力光と補助光のパルスを特殊な鏡に通して混合した後、再び二つに分けた光の一方を測定器で測定し、その結果に応じて他方の光を操作して計算する。

畳4枚分のスペースに鏡やレンズを500枚以上配置した装置のため、同じ装置を多数並べて接続するのは難しかった。

(2017/9/25 05:00)

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