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[ 化学・金属・繊維 ]
(2017/10/13 05:00)
神戸製鋼所の川崎博也会長兼社長は12日、アルミニウム・銅製品の検査データ改ざん問題について、8日の記者会見で公表した不適合事案以外にも疑わしい案件があることを明らかにした。近日中に川崎会長兼社長が会見を開き、調査の経過を説明する。自身の経営責任については、「安全性の検証や原因究明が最優先」とし、現時点での退任は否定した。同日午前に経済産業省の多田明弘製造産業局長と会談した後、記者団に語った。
8日の会見で、神鋼は2016年9月からの1年間に出荷した不適合品がアルミ製品約1万9300トン、銅製品約2200トン、アルミ鋳鍛造品約1万9400個に上り、納品先は約200社に及ぶと説明。川崎会長兼社長は「海外を含めて検査データの突き合わせを進めている。調査が進行中である以上、新たな不正事案が発生する可能性はある。疑わしいものもある」と述べた。
多田局長との会談の冒頭、川崎会長兼社長は「多くの方々にご心配をお掛けしていることに対し、重ねて深くおわび申し上げます」と陳謝。多田局長は、今後2週間程度で安全性の検証結果を公表することと、1カ月以内に原因究明や再発防止策に関する報告を実施することを指示した。
【川崎会長「検証に最大限努力」】
神戸製鋼所の川崎博也会長兼社長は12日午前、経済産業省の多田明弘製造産業局長との会談後、記者団との取材に応じた。主なやりとりは次の通り。
―経営責任について。
「まずは原因対策と安全性検証に最大限努力する。そこで経営トップとしてのリーダーシップを発揮したい」
―アルミを戦略商品と位置づけてきたが、影響は。
「品質不正に該当して出荷を止めたのは金額ベースで全体の4%。今後それが大きく増えなければ、車の軽量化戦略に大きな影響は及ぼさないと考えているが、ユーザーの検証結果も踏まえ、再度見直したい」
―車のリコール(無料の回収・修理)に発展する可能性は。
「現時点では聞いていないが、ユーザーの検証結果による」
―損害賠償は。
「あり得るかも知れないが、具体額などユーザーから個別に提示されていることは現時点でない」
―資産売却の可能性は。
「今は考えていないが、最終的な損益や、あり得るかも知れない賠償額などを勘案して決めたい」
≪JR西、新幹線7編成に要求強度不足≫
JR西日本の来島達夫社長は12日、都内で会見し、神戸製鋼所によるアルミニウム製品データ改ざん問題で、山陽新幹線車両「N700A」7編成に要求強度を下回る部品があったことを明らかにした。
過去5年間のデータから分かった要求強度不足は、台車部分で車軸用軸受を収容するアルミ合金鍛造品の軸箱体128個と同鋳造品の軸箱体前ふた20個。定期検査のタイミングで全部品を交換する方針だという。
設計強度に余裕を持たせており、来島社長は安全上の問題はないとの認識を示すも「万全を期す」と判断した。その上で「(メーカーの日本車輌製造と日立製作所を通じて神鋼に)応分の負担をしてもらうのが筋だ。契約に基づく瑕疵(かし)である」と述べた。
(2017/10/13 05:00)
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