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[ 科学技術・大学 ]
(2017/10/26 05:00)
物質・材料研究機構の三石和貴グループリーダーと色川芳宏主幹研究員らは、窒化ガリウム(GaN)トランジスタの性能を左右する結晶層を発見した。GaNと絶縁層の間にガリウム酸化物の薄層が存在していた。酸化物薄層のおかげでGaN結晶の欠陥が減り、トランジスタ性能が向上するとみられる。今後酸化物薄層を制御する条件を探して最適化し、GaNトランジスタの実用化を目指す。
富士電機や山梨大学との共同研究の成果。二酸化ケイ素を絶縁層に使ったGaNトランジスタを作製し、絶縁層とGaNの界面に厚さ1・5ナノメートル(ナノは10億分の1)のガリウム酸化物の薄層を見つけた。酸化物薄層は極めて平たんで、GaNとガリウム酸化物の界面はガリウム原子一つ分しか乱れていなかった。
酸化物薄層が絶縁層とGaNの間の緩衝材になる。この制御法やより良い材料を探し、GaNトランジスタの実用化につなげる。
(2017/10/26 05:00)