[ 科学技術・大学 ]

東京医科歯科大VB、脳神経疾患治療薬をナノマシンで開発へ

(2017/11/2 05:00)

  • (右)横田隆徳東京医科歯科大学脳神経病態学分野教授、(中央右)吉澤靖之東京医科歯科大学学長、(中央左)戸須眞理子株式会社ブレイゾン・セラピューティクス 代表取締役社長、(左)片岡一則ナノ医療イノベーションセンター センター長・東京大学政策ビジョン研究センター特任教授

東京医科歯科大学の大学発ベンチャー「ブレイゾン・セラピューティクス」(東京都文京区)は1日、ナノマシン(ナノは10億分の1)を活用した脳神経疾患の治療薬の開発を本格的に開始すると発表した。5―8年で医師主導型治験の実施を目指す。アルツハイマー病やうつ病、統合失調症などの疾患を対象に、製薬会社と開発を進める。

脳の血管には、薬剤などの送達を妨げる生体バリアー機能「血液脳関門」(BBB)が存在し、脳神経疾患の薬剤治療の課題となっている。

東京大学の片岡一則特任教授と、東京医科歯科大の横田隆徳教授らは10月、血液中のグルコースを利用してBBBを通過するナノマシンを開発。アミノ酸などで構成するナノマシンの内部に薬剤を入れ、脳に届ける。既存治療薬では脳に届くのは0・1%程度だが、この技術では4―6%が到達するのをマウスで実証した。

片岡特任教授は「BBBを高効率に通過し、脳神経細胞へ薬剤を届けるための革新的なアプローチだ」と強調。同社の戸須眞理子社長は「脳神経疾患領域の市場は大きい。企業と連携して基礎研究も進め、BBB突破の技術として発展させたい」と話した。

(2017/11/2 05:00)

科学技術・大学のニュース一覧

おすすめコンテンツ

電験三種 合格への厳選100問 第3版

電験三種 合格への厳選100問 第3版

シッカリ学べる!3DAモデルを使った「機械製図」の指示・活用方法

シッカリ学べる!3DAモデルを使った「機械製図」の指示・活用方法

技術士第一次試験「建設部門」受験必修キーワード700 第9版

技術士第一次試験「建設部門」受験必修キーワード700 第9版

モノづくり現場1年生の生産管理はじめてガイド

モノづくり現場1年生の生産管理はじめてガイド

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン