[ 科学技術・大学 ]

【電子版】最短1分 自己修復するセラミックス 物材機構・横浜国大が開発

(2017/12/30 08:00)

自己治癒の様子。完治まで最速1分(左)とネットワーク状に配置された酸化マンガン(緑)が治癒を促進(右)(提供:物材機構)自己治癒の様子。完治まで最速1分(左)とネットワーク状に配置された酸化マンガン(緑)が治癒を促進(右)(提供:物材機構)

航空機エンジンなど応用期待

 約1000度の高温環境で亀裂が入っても、最短1分で自然に修復するセラミックスを開発したと、物質・材料研究機構と横浜国立大の研究チームが28日までに発表した。修復の詳細な仕組みも解明した。航空機エンジンのタービンに応用できれば、ブレード(羽根)を軽くして燃費を良くできるという。

 タービンブレードには現在、ニッケルなどの合金が使われている。セラミックスなら軽くなるが、小石や金属片などが当たると破損しやすく、改良が必要という。論文は英科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。

 横浜国大の安藤柱名誉教授らは1995年、アルミナ(酸化アルミニウム)に炭化ケイ素を混合したセラミックスで亀裂が修復することを発見した。ただ、詳しい仕組みが分からず、約1000度では修復に1000時間程度かかっていた。

 物材機構の長田俊郎主任研究員らは、特殊な電子顕微鏡で修復過程を観察した。亀裂に入った空気の酸素と炭化ケイ素が反応し、二酸化ケイ素を生成。この二酸化ケイ素とアルミナの混合液体が亀裂を埋め、結晶化して修復することが分かった。微量の酸化マンガンを加えると修復を促進でき、約1000度では最短1分で修復できた。(時事)

(2017/12/30 08:00)

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