【電子版】リニア入札談合、年明け聴取本格化－東京地検・公取委

“うちが取るから入札に参加するな”　立件目指す

　リニア中央新幹線工事の談合事件で、東京地検特捜部は年明けにも関係者らを幅広く聴取するなど、公正取引委員会と合同で全容解明に向けた捜査を加速させるもようだ。特捜部は大手ゼネコン4社による不正な受注調整があったとみており、幹部らの立件を目指し捜査態勢を拡充するとみられる。

　特捜部は8日、JR東海発注のリニア工事の入札をめぐる偽計業務妨害容疑で大林組を家宅捜索した。18、19日には、公取委と合同で鹿島、清水建設、大成建設、大林組の大手4社を独禁法違反容疑で強制捜査した。

　関係者によると、特捜部は既に大林組の土木部門トップの副社長（66）や大成建設の元常務、鹿島、清水建設の担当者らを任意で事情聴取し、同法違反罪での立件を目指している。これに対し、大林組は公取委に違反を自主申告。残る3社も不正な受注調整を認め、課徴金の減額を求めるかが注目されている。

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　大成建設の元常務は、品川駅新設工事の一部区画の入札前、準大手ゼネコンの幹部を呼び出し、「うちが取るから入札に参加するな」などと迫っていた。この準大手は要請に従わずに参加した結果、2016年に受注契約を結んだという。

　JR東海などはこれまでに24件の工事を契約。うち15件を大手の共同企業体（JV）が3～4件ずつ受注する一方、9件は準大手や中堅ゼネコンなどが請け負っている。

　特捜部は今後、担当検事を増員するなど態勢を拡充し、準大手などからも幅広く聴取して詳しい経緯を調べる。（時事）