[ 環境・エネルギー ]

【電子版】玄海原発3号機の蒸気漏れ、雨水浸透で配管腐食か―九電

(2018/4/3 15:00)

  • 玄海原発3号機「脱気器」の空気抜き管で見つかった穴(写真中央下)(九州電力提供)

 九州電力は2日、配管で蒸気漏れが見つかった玄海原発3号機(佐賀県玄海町)を点検した結果、2次系の装置「脱気器」の空気抜き管16本のうち1本に穴が開き、外装板などにさびが付着していたと発表した。屋外にある装置の管に雨水が浸入して腐食したとみられ、九電は全ての空気抜き管や外装板などを交換する。作業は原子炉を止めずに行うが、24日に予定していた営業運転への移行は遅れる見通し。

 九電によると、2次系は原子炉で発生させた蒸気で発電用タービンを回す設備で、循環する水は放射性物質を含まない。脱気器は微量の酸素などを除去する装置で屋外に設置されており、上部にある空気抜き管の1本で穴が貫通していた。

 穴は長さ13ミリ、幅6ミリ。空気抜き管を包む保温材と外装板には変色やさびがあった。九電は外装板の隙間から浸入した雨水を保温材が吸収し、湿潤状態になって腐食したとみ2ている。

  • 蒸気漏れが見つかった玄海原発3号機の配管。外装板にさびが出ている(九州電力提供)

 空気抜き管は16本とも1994年の運転開始以降、交換していなかった。2006年の定期検査で保温材の一部を取り除いて状態を確認したが、異常はなかったという。九電は1日3回程度、見回りをしていたが、管は通常の巡視では見えにくい場所にあると説明している。

 3号機は3月23日、約7年3カ月ぶりに再稼働した。25日から発電と送電を始めたが、30日に蒸気漏れが見つかった。九電は原子炉を止めず、発電を停止して点検していた。

 九電は玄海4号機について、予定通り5月の再稼働を目指すとしている。(時事)

(2018/4/3 15:00)

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