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[ 環境・エネルギー ]
(2018/8/28 05:00)
【アムステルダム=時事】使用済みペットボトルやプラスチックごみから作ったソーラーカーでの南極点到達に挑戦するオランダ人冒険家のテル・ベルデ夫妻の出発式が27日、アムステルダムで行われた。深刻な海洋汚染を招くプラごみを車体の素材に有効利用し、動力には温室効果ガスを出さない太陽光エネルギーを活用。環境問題への人々の意識変革を訴える試みで、日本の帝人が全面的に協力している。
夫妻はアムステルダム港を船で同日出発し、南極大陸へ渡航。12月ごろにソーラーカーに乗り込み約20日間で南極点を目指す。到達すればソーラーカーでは世界初の快挙となる。
車両の総重量は1485キログラム。プラごみから3Dプリンターで加工した1辺約7センチメートルの六角形のブロックを約400個組み合わせることで車体部分を作製した。帝人は炭素繊維やパラ系アラミド繊維といった耐久性強化や軽量化のための素材を提供。最大速度は時速8キロメートルで、南極での走行距離は往復で2300キロメートルに達する見込み。
プラごみは海洋ごみの8割以上を占めるとされ、国際的に対策が急務となっている。夫のエドウィン氏はスピーチで「ごみを価値あるものに変えられることを示すための実験だ」と語った。
帝人は創立100周年事業の一環としてこの取り組みを支援。循環型社会実現に向けた今後の事業展開に生かす考えで、出発式に参加した鈴木純社長は「未来の社会を支える会社になるために何ができるかを見つけたい」と期待を示した。
(2018/8/28 05:00)