[ 機械 ]

難加工技術展・先進加工プロセス展・表面改質展、77社・団体が出展

(2018/9/7 05:00)

  • 出展者の説明を熱心に聞く来場者

「難加工技術展2018」「先進加工プロセス展2018」「表面改質展2018」(日刊工業新聞社主催)が、横浜市西区のパシフィコ横浜で7日まで開かれている。三つの展示会に合わせて77社・団体(75小間)が出展。各社が難形状・難削材加工や表面処理の技術を披露し、会場は連日にぎわいをみせている。(横浜・大原翔)

富士高周波工業(堺市堺区)はレーザー焼き入れ技術を紹介。レーザーを加工対象物(ワーク)に照射して加熱し、表面硬化処理を施す。レーザーを活用することでピンポイントの焼き入れが可能で、従来の手法のように周辺部位への熱影響を起こさない。後藤光宏社長は「熱影響によって生じる曲がりなどを修復するための後処理工程が不要になり、コスト削減にも貢献できる」と強調する。

塩(東京都八王子市)は、乱れがなく規則正しい流体である「層流」を高い水圧でつくり出す装置を展示している。特殊な機構で浸透性を高めた水を、専用ノズルを通して排出することで、水道のような乱れのない高い水圧を生む。研磨加工や切削加工時に使用し、発熱の抑制や切り粉の洗浄ができる。

芝技研(神奈川県横須賀市)はシリコンやガラスといった硬脆(こうぜい)材料の精密加工を手がける。ブースでは、ワークにかかる負荷を数値化する技術を展示。企業が保有するマシニングセンター(MC)などのワークを置く箇所に、専用のテーブルを設置して使う。ワークにかかった負荷をパソコン上に記録し、刃物交換などが必要な際にはその指示も出せる。

京都産業21のブースでは京都府内のモノづくり企業が出展。山内製作所(京都府久御山町)が展示するアルミニウムの気密溶接技術は、複数のアルミ部材を溶け切らない加減まで熱して溶接する。部材の大きさや厚み、気温がその都度異なるため、「作業には職人の目や感触が不可欠」(山内衛社長)。アルミ素材の部品に空洞を設けたい場合などで活用可能。現在は半導体や液晶パネルの製造装置で使われる真空チャンバー部品などの製造時に利用している。

同じブースに展示する大興製作所(京都市南区)は、石英ガラスの加工技術を紹介。石英ガラスは光透過性や耐熱性に優れており純度も高く、半導体製造装置や分析装置のレンズなどに使われる。商品開発部の須田佳通部長は「石英ガラスは熱に強いため2000度C近い温度に加熱しながら加工しなければならず、特殊なノウハウを要する」と説明する。

(2018/9/7 05:00)

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