[ オピニオン ]
(2018/10/18 05:00)
生き物の仕組みはすばらしいとつくづく思う。ワールド・ロボット・サミット(WRS)が17日、開幕した。ロボット競技会では、精密部品の自動組み立て、災害現場での救出、部屋の片付け、店舗での商品陳列などを時間内にいかにうまくこなすかを競う。多岐にわたるロボットの未来像を提示する初めての大会だ。
例えば、テーブルの上にあるジャムの瓶を取って運ぶという競技。健康な人間には簡単な作業だが、ロボットには難しい。競技会では、途中で止まってしまったり、テーブルの周囲をぐるぐると回ったりと、予期せぬ動きをするロボットが続出した。
ロボットにはまだまだ開発の余地がある。本体はもちろん、制御システムや用途開発は、大企業だけでなくベンチャーでも個人でも十分にチャレンジできる分野だ。
競技参加者はベテランエンジニアから中学生まで幅広い。国籍も日本のほか、ドイツ、マレーシア、米国とグローバルだ。
開催目的の一つはロボット技術者のコミュニティー形成。学生対象の競技会では準備段階から、分からないところを互いに教え合うなど交流の輪が広がっている。争い戦うのではなく、競って高め合うことが未来を担うロボットにはふさわしい。
(2018/10/18 05:00)