[ 科学技術・大学 ]

【電子版】NASAの宇宙望遠鏡ケプラー、燃料切れで「退役」 地球型惑星の発見に貢献

(2018/11/3 07:00)

  • 宇宙望遠鏡ケプラーのイラスト。現在の地球からの距離は9400万マイル(約1億5千万キロメートル)。今後、地球の周りを定期的に通過するが、地球に100万マイル(約160万キロメートル:地球と月の距離の4倍)以上接近することはないという(提供:NASA)

2600以上の太陽系外惑星発見、9年半の任務に幕

【ワシントン=時事】米航空宇宙局(NASA)は、太陽系外の惑星観測に当たってきた宇宙望遠鏡を搭載する探査機「ケプラー」の退役を発表した。観測に必要な燃料がなくなったため、9年半にわたる任務に幕を閉じた。

 ケプラーは2009年3月に打ち上げられ、搭載する望遠鏡と恒星の間を惑星が横切る際の光の変化を観測する手法で、これまでに2600個以上の太陽系外惑星を発見した。ロイター通信によると、これは最近20年間に確認された太陽系外惑星の約7割に当たる。

 13年に姿勢制御装置の故障に見舞われた後も、観測を継続。生命の存在に適するとされる地球型惑星が太陽系外に多数あることが、観測結果から判明した。2週間前に燃料が底を突いた。観測データなどは、すべて地球に送信された。

  • 宇宙望遠鏡ケプラーが発見した地球型惑星(提供:NASA)

 米メディアによれば、NASAエームズ研究センターの担当者は電話記者会見で「(退役は)悲しい出来事かもしれないが、この素晴らしい探査機の仕事ぶりからすれば、決して不幸ではない。(3年半だった)当初目標の2倍以上も飛んだのだから」と語った。

 NASAは今年4月、後継となる惑星探査衛星「TESS」を打ち上げた。TESS搭載の望遠鏡は、ケプラー搭載のものよりはるかに広範囲の観測が可能で、さらに多くの太陽系外惑星発見が期待されている。

(2018/11/3 07:00)

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