[ オピニオン ]
(2018/11/8 05:00)
米国の中間選挙の結果、上院は与党共和党が過半数を維持、下院は野党民主党が8年ぶりに過半数を奪還して“ねじれ現象”となることが決まった。2年後の再選を目指すトランプ大統領にとっては厳しい結果といえよう。
中間選挙は大統領選に比べて関心度が低くなる傾向にあった。しかし、今回は接戦が予想される州でオバマ前大統領が民主党の応援演説に登場したり、世界的な人気女性歌手のテイラー・スウィフトさんが若者に投票を呼びかけたりしたため、投票率が飛躍的に高まった。
議会がねじれ現象になると、トランプ大統領はこれまでのような米国第一主義での政策運営が困難になるのは確実。それだけでなく、ロシア疑惑を追及する民主党が勢いづき、大統領の弾劾手続きに向けた動きが加速する可能性もある。
選挙結果は厳しいものになったが、トランプ大統領は民主党との対決姿勢を変える気はないようだ。議事の進行が遅れたら、ねじれのせいにすることもできる。
国内で思い通りの政策運営ができなくなった場合、外交面で点数稼ぎしようと考えるのではないだろうか。中国や日本に対し、貿易赤字削減への強硬な姿勢を取ることが危惧される。トランプ大統領の出方に注目したい。
(2018/11/8 05:00)