産業春秋/時代遅れの尺度

(2021/2/16 05:00)

今年は計量法の原型ともいえる度量衡法の公布から130年。大正期に工業製品の輸出を促進するため法改正が行われ、尺貫法からメートル法への統一を規定し現行の計量法に至る。

大工や漁師が使う言葉に尺や貫の名残があるのは文化として大事にしたい。しかし、世界の人々が集う東京五輪・パラリンピック開催は、世界のだれもが順守すべきオリンピック憲章にのっとったものであるのは当然だ。

森喜朗大会組織委員会会長の女性蔑視発言に端を発した騒動は、日本の組織運営にガバナンス(統治)が及んでいないことを露呈した。追い込まれて辞任する人が後継者を密室で指名したり、突然“天の声”が後継候補に「待った」をかけたり、さまざまな場面で公正・透明性という組織運営の根本からかけ離れたことが繰り広げられた。

海外から不可解な日本の対応に厳しい視線が注がれている。東日本大震災からの復興を世界に発信する。当初の輝かしいレガシーは霞(かす)んでみえる。

新たな会長選びがどのようなプロセスを経て行われるのかを、国民だけでなく世界が注視している。女性やマイノリティの軽重を測る「尺貫法」が存在するようでは「国際基準」からは程遠い。

(2021/2/16 05:00)

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