産業春秋／仏壇のリフォーム

　インターネットで「仏壇」と入力して検索すると、次の言葉の候補として上位に現れるのは「処分」ということが多い。現代社会を反映している。

　仏間があり、そこに立派な仏壇を置いて、ご先祖さまをおまつりするという生活環境を維持できる世帯は減ってきている。さらに少子化の加速で、夫婦がそれぞれの親から仏壇を継承することも増えている。家に二つの仏壇を置くのは難しい。

　「アルテマイスター」ブランドで仏壇の製造販売を行う保志（福島県会津若松市）は、仏壇をリフォームするサービスを提供している。大きな仏壇を小さくしたり、住環境にあったデザインに変えたりと客の要望に応じている。

　これまで手がけたリフォームは約１００件。広報担当の村上珠未さんは「お客さまにとって思い入れの深いものだけに、リフォームしてご自宅にお届けした時に『また一緒に暮らしていけます』と喜んでいただけるのが何よりうれしい」とやりがいを感じている。

　昨今のコロナ禍で、在宅時間が増えたこともあり「リフォームについてお問い合わせをいただくことが増えている」という。コロナ禍で心のよりどころを求める気持ちが高まっているのも一因かもしれない。