社説/G7サミット28日まで ウクライナ復興まで結束強化を

(2022/6/27 05:00)

先進7カ国首脳会議(G7サミット)が28日(現地時間)までドイツで開かれる。ウクライナへの侵略が長期化しているロシアへの圧力強化とウクライナ支援が主要議題になる。覇権主義的な動きを強める中国をけん制する新たな枠組みも議論する予定で、安全保障を脅かす対中ロをめぐる一段の結束強化が求められる。

サミットの日程は26―28日。ロシアのウクライナ侵略に対し、G7が結束して国際社会の秩序を守ることをあらためて確認する。ロシアへの新たな制裁措置の発表を目指すほか、ウクライナについては軍事支援や戦後の復興支援も議論する見通しだ。第二次世界大戦後の米国による欧州復興計画「マーシャル・プラン」と同様の資金援助がウクライナにも必要との認識で一致を目指す。武力による現状変更を許さず、ウクライナ復興を確実に実現させる強い結束が示されることを期待したい。

対中国については、2021年6月に英国で開かれたG7サミットで、初めて台湾有事への懸念が表明された。今回のサミットでも東アジアや太平洋島しょ国で影響力を強める中国をけん制する。具体的には、中国の経済圏構想「一帯一路」に対抗し、低・中所得国のインフラ整備を支援する新たな枠組みを表明する見通しだ。

一帯一路は、支援を受けた国が債務を返済できない“債務のわな”で身動きが取れない課題も抱える。数十兆円規模とされる新枠組みを整え、中国とはひと味違うインフラ支援で新たな国際秩序の形成につなげたい。

ウクライナ情勢を受けて高騰するエネルギーや食料品といった世界経済の懸念や、気候変動問題も協議する。食料安全保障ではアフリカなどの開発途上国への支援強化を打ち出すほか、エネルギー安全保障では脱ロシア、気候変動については石炭燃料の段階的な廃止や、35年までに電力部門の大部分を脱炭素化する方針を表明すると見られる。欧州では石炭火力発電に回帰する動きもあるが、中長期的な方針は堅持することを首脳間で確認してもらいたい。

(2022/6/27 05:00)

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