産業春秋/介護の周辺業務でロボ活用を

(2022/8/19 05:00)

ロボットは介護分野の人手不足を解消する救世主になれるのか。活用に向けた議論が始まり10年余りになるが介護施設での導入は限定的だ。

機械振興協会経済研究所の研究会がまとめた調査結果からは厳しい実態が浮かび上がる。排せつ時に移動を介助する単機能のロボットでさえ、介護施設で利用するには課題が山積する。

実際の介護現場では日々状態が変化する高齢者の「生活」を支援する。介護従事者は多数の作業を柔軟に調整しながら効率的に介助を行っている。そこに単機能ロボを導入すると、準備や片付けといった介護従事者の負担が増え、省力化に逆行しかねない。

ロボット技術も被介護者の感情や感覚に配慮できる水準に達していない。このため事業者には介護の「質」の向上に貢献できないとの考えがあり、人手不足でもロボットを導入しない理由の一つになっている。

研究会は「人手不足の解消から議論を始めることをやめ、市場拡大の方向性をあらためて探るべき」と結論づける。一部で利用が進むパワーアシストスーツは離職を防ぐ効果はあるが、人手不足の解消には直結しない。オムツの処理や清掃など周辺業務の中にロボットのニーズが潜んでいそうだ。

(2022/8/19 05:00)

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