「つなぐ」から「センシング」へ TEがセンサーソリューションで日本の医療を支える【PR】

(2020/8/25 05:00)

積極的なM&A センシングで世界トップクラスへ

TEジャパン アジアセンサソリューションズ 関口慎悟カントリーセールスマネージャー

 コネクターやケーブルなど「コネクティビティ」に関連する製品を展開するTE Connectivity(スイス)。近年はセンサー分野でもその存在感を強めている。専業メーカーが多いセンサー業界内で後発の同社は、14年に圧力センサーに強みを持つ米メジャーメントスペシャリティーズ(バージニア州)をM&A(合併・買収)。以降、これまでに世界の40社以上のセンサー専業メーカーを傘下に収めている。その数に比例し、取り扱うセンサー数は増え、現在その種類の豊富さは世界トップクラスだ。

 同社の日本法人であるタイコエレクトロニクスジャパン合同会社(TEジャパン)は、国内の自動車や医療、産業機械など、さまざまな業界に製品を提供している。近年、クラウド化が進む中、コネクティビティ関連製品の業界内では位置や圧力などあらゆる情報を収集するセンサーの需要が拡大している。こうしたニーズに対応するため、TE Connectivityは1996年にシーメンスのセンサー関連の事業部を車載事業向けに買収。その後、徐々にセンサー事業の拡大を進めてきた。

 TEジャパンで組み込み市場向けセンサー事業をとりまとめるアジアセンサソリューションズの関口慎悟カントリーセールスマネージャーは、同社製品の特長として「①過酷な環境に対応②高精度③高品質」の3点をあげる。種類の豊富さに加えたこうした性能の高さが評価され、海外のロケットなど、環境の厳しい航空宇宙・防衛関係でも採用。そのほか自動車・産業機器関連分野などで実績を積んできた。

持続可能な社会の実現ヘ 医療分野に注力

  • AD101 気泡レベル検出センサ

  • FX29 荷重センサ

  • SMI超低圧力センサシリーズ

 現在、グローバル全社で力を入れるのが、メディカル(医療)分野である。同社は企業目的として「より安全で持続可能な社会の実現、より豊かな、つながる未来の創造」を掲げる。この達成に向けて、人命に携わる医療分野は必要不可欠とし、企業戦略の一つに位置づける。ほんの少しの誤差が人の命に関わる、厳しい精度が求められる業界。これまでさまざまな業界で積み上げてきた経験と技術力を総動員し、課題解決に乗り出す。

 各国の現地法人から情報を収集し、不足する技術をもつ企業などのM&Aで社内に取り込み、顧客ニーズに対応するという戦略を継続している。医療業界の参入に当たっては、誤差のない高い精度や、材料などでは生体認証をとっているなど、必要な条件も多く、米国の医療認証である米国食品医薬品局(FDA)などに準拠した企業の製品を扱うことで、スムーズな業界への参入が可能となる。こうした中で医療系に強みを持つ米アルファテクニクス(カリフォルニア州)なども取り込んできた。「圧力、位置、温度、振動、湿度、流体特性など、製品のポートフォーリオはかなりそろってきている」(関口マネージャー)とし、今では取り扱いのないセンサーはごくわずかとなっている。

 こうした同社のセンサーは既に海外のさまざまな医療機器や装置などに組み込まれてきた。例えば血液酸素レベル測定には酸素飽和度(SpO2)センサー、輸液ポンプには荷重センサー位置制御センサーが使われた。圧力センサーは±0.02―0.03ほどの超微圧から高圧まで細かい精度の要望に応えるラインアップをそろえる。人工呼吸器は、患者への空気流量と呼気の進行の制御、ファンの制御などに、圧力センサーを活用。血管の内壁と外壁の間に入れたカテーテル内から、血管内の温度を計測できるマイクロサーミスタ(温度センサー)も、医療分野では重宝される製品だ。

 「海外のソリューションと同様、日本国内でもいくつかの事例を作っていきたい」と関口マネージャー。まずは圧力・荷重センサーを中心に、国内医療業界への参入を目指す。また、非接触型センサーは、近年街中で見かけることも増えた非接触型の体温測定機などに幅広く使われる。将来的には人工透析ヘの挑戦も視野に入れる。

 人工透析はインジェクション(噴射)ポンプで、血液が凝固しないような仕組みがある。圧力や位置制御など4―5種類のセンサーを投入し、圧力の差圧で血流が正常に保たれているかを観測する。精密性や高精度が求められるが、同社の製品群だからこそ対応ができる。国内の医療機器メーカーでの製品の採用を目指し、販売活動を本格化する。

センシングで国内医療業界を陰で支える存在に

TEのセンサーソリューション

 遠隔医療など医療業界ではさらなる技術のイノベーションが求められている。こうした先端技術の発展には、センサーが不可欠になる。「高かったり、パッケージングが難しかったりと、センシングの技術に100%満足している人はいない。しかし当社の製品はコンパクトで、リーズナブルなため、使える域にいく」と、関口マネージャーは同社の製品が市場拡大の可能性に自信をもつ。

 センサーは開発段階に近いため、顧客のプロジェクトにも上流から参入できる。そのため基板実装時におけるコネクターやケーブルへの顧客が広げられる。加えて、センサーからの出力を判断するマイコンなどへつなぐケーブルやコネクターと組み合わせることで、一つのソリューションとして提案ができる。産業機械や、自動車など、顧客の業界ごとに事業部を分ける同社の中で、センサー事業は唯一、横断的にかかわる事業部だ。より事業部間の協力を密にし、医療業界に最適なソリューションを提供する。

 関口マネージャーは「日本は医療機器分野でグローバルでも大きな市場を持つ」と、国内市場の重要性を指摘する。TEジャパンはTEグループの強みを生かしながら、信頼性と盤石な国内のサポート体制を提供し、医療業界での存在感を強めていく。同社が日本の医療の発展を陰で支える存在となる未来は着実に近づいている。

(2020/8/25 05:00)

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