MF-TOKYOの歩き方

いよいよ開幕!主催者が語るMF‐TOKYOの魅力

10年目のイベント、成長続ける

右が日刊工業新聞社総合事業局の饒波正紀取締役、左は改発真司担当

 MF‐TOKYOは、今年で6回目の開催。2009年に日本で初めて鍛圧機械をテーマとした専門展示会として第1回が立ち上がって以来、今年で10年目の節目となる。そこで、事務局を担う日刊工業新聞社総合事業局の饒波(のなみ)正紀取締役と改発(かいはつ)真司担当に、今年の出展トレンドやこれまでの経緯などについて聞いた。

-今年の展示傾向や注目ポイントなどについて、教えてください。

饒波 まず、鍛圧機械産業にとっての主要顧客層である自動車産業において、case(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)と呼ばれる新たな潮流が台頭し、研究開発も活発になっています。話題の「空飛ぶクルマ」は日本でも2023年度から実証試験が始まるなど、これまでにない大きな構造変化が見えてきています。今回のMF-TOKYOではそうした将来のモビリティー社会に向けた付加価値の高い技術提案が披露されます。ファイバーレーザー加工機はもとより、生産性向上に向けた複合加工機が見どころだと思います。

改発 今後、金型を使ったパンチングプレスからレーザーへのシフトも進んでいくと言われていますが、それに加えて機械と機械をつないで一連の工場生産を見せるような、複合的で具体的な提案が今年は多く見られます。材料供給からレーザーやプレスでの加工後に曲げ加工、仕上げ、搬送、ストックなど、IoTサービスの導入も含めてより実用化されています。またプレスと材料搬送装置を連携させたタンデムプレスラインの最先端システムなど、FA(ファクトリーオートメーション)がここまで来たのか、というのをぜひ見てほしいです。

-今年は過去最大スペースでの開催となっていますね。

MF-TOKYOの推移

改発 回を重ねるごとに規模は拡大してきましたが、今回は254社・1717小間(前回は265社・1669小間)となり、小間数としては過去最大です。東京五輪・パラリンピックの関係で会場に利用制限があり、東京ビッグサイト西ホールと南ホールでの開催という少し不利な条件でしたが、2018年夏からの募集開始時より数ヶ月で募集終了となりました。要因には、大規模・中規模出展企業の小間スペースの拡大ニーズのほか、機械単体の見せ方から工程を見せる企業が増えたことや、鍛造金型メーカーや金型補修、周辺機器などまで出展企業のフィールドの広がり、などがあげられます。少し窮屈な会場レイアウトになりましたが、内容の濃いものになっています。

-講演会やシンポジウムを目的に来場される方も多いですね。

饒波 有益な情報をキャッチできるよう、今年は特に将来の自動車産業をメインテーマに盛り込んでいます。完成車メーカーが語る鍛圧技術のほか、レーザー、ホットスタンピングなど最先端動向が専門家により発信される貴重な機会です。恒例の「学会テクニカルセミナー」では日本塑性加工学会から今回も最新の鍛圧技術について大学教授陣をはじめとする講演18講座を開設します。さらにレーザ加工学会、日本ばね工業学会、日本ねじ研究協会からの講座も合わせて計24講座と充実しています。

改発 各出展企業による「出展者テクニカルセミナー」の72講座も連日、行われます。プログラムはマクロ産業の話題、ミクロの話題まで多数あり、毎日聞いていただいても十分、満足できる内容になっていると思います。

すそ野は大きく、深掘りもできる面白さ

-6回目の開催ということで歴史を重ねてきましたが、苦労した点などありますか。

改発 日本では2年に一度、JIMTOF(日本国際工作機械見本市)というビッグイベントがあり、もともとその中で鍛圧機械が紹介されていました。ただ切削系工作機械の紹介が多かったため、塑性加工技術や鍛圧機械技術を専門に見てもらおうと日本鍛圧機械工業会と日刊工業新聞社でタッグを組み、JIMTOFの開かれない奇数年に開こうとなったのが最初です。振り返ると、多くの産業機械が出展する展示会事務局としては運営が稚拙で、当時の出展者さまにはご迷惑もおかけしてしまいました。少しずつ学ばせてもらいながら6回目の開催に至りました。とりわけ前回は、イベント終わりにすぐに何社かの展示会担当者から「次回の戦略やビジョンはこうしたい」と話してもらえたのですが、イベントの定着を実感しました。「出展者に育ててもらってここまで来た」と本当に感慨深いです。鍛圧機械加工分野は、モノづくりの重要な基礎であり、すそ野が大きいうえ深掘りできる分野だと発見できるたび、面白さを感じています。

饒波 ドイツの「Euro BLECH」や「Wire&Tube」などはMF-TOKYOと同様の分野の展示会です。実際の商談など「ビジネス」という軸では雰囲気や規模はまだまだ追いついていませんが、今回のように機械単体だけでなく一連の工程を見せる、外部の工場の生産状況とIoTで連携して見せるなど、専門ソリューション展としてイベント内容は確実に進歩していっており、楽しみな分野です。

―これから来場される皆さまにメッセージをお願いします。

改発 暑い中、ご来場いただけるのは本当に有り難いです。前回同様、午前9時開場としておりますので、午前中の時間帯も利用して商談などぜひ積極的に行ってほしいです。休憩所にはウオーターサーバーを設置しておりますので、ご利用ください。

饒波 若い方々にはぜひ、鍛圧機械の最新動向を見て、おもしろさを感じてもらいたいですね。それとちょっと気が早いですが、次回の開催は2021年に同じ東京ビッグサイトで開催となります。すそ野を広げ、かつ専門性を高めていく展示会としてまだまだ成長していきたいと思っております。

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