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「コネクテッドインダストリーズ」って何?
~日本の新しい「産業革命」の戦略を分かりやすく解説(by METI Journal)

 IoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)など、デジタル技術が新たな価値を生み出そうとしている。「コネクテッドインダストリーズ」とは、政府が国内のこうした動きを全面的に支援するとして打ち出した戦略である。

ドイツとの違いは?

 CEBITにおけるConnected Industries発表世耕弘成経産相は、コネクテッドインダストリーズが描く産業の将来像を「企業と企業、機械と機械、人と人などがデータを介して“つながる”世界」と説明する。近年、IoT技術の進展などに伴い、さまざまな製品・サービスが遠隔地でも相互連携し、情報をやりとりできるようになっている。この「第4次産業革命」と呼ばれる変革を踏まえ、日本が打ち出した戦略がコネクテッドインダストリーズだ。
 新戦略には、国として産業の新たな潮流を主導しようという強い意志が込められている。「ドイツのシーメンスは、生産、在庫、販売といったモノづくり全体のIT化を横軸で押さえていっている。そして(同じくドイツの)SAPは、サプライチェーン(供給連鎖)における企業間連結を押さえていっている。まさに縦と横からドイツ企業がしっかり押さえようとしているのが実情だ」と世耕経産相は現状への危機感を示す。製造業のデジタル化で先行するドイツに対し、日本が下請け的な立場になるのではと危惧する声は、産業界でも多い。

日本の強みは製造現場のデータ

 世耕大臣その上で、日本は何を強みに一大変革に向き合うべきか-。コネクテッドインダストリーズの基本概念は、そんな試行錯誤の中から生まれた。「日本には、製造現場の極めて正確なデータがたくさん蓄積をされている。それはドイツにはまだない。ドイツと対等に渡り合える部分が、ここにある」と世耕経産相は日本の“勝ち筋”を指摘する。コネクテッドインダストリーズで「データ」が重要要素とされているのは、このためだ。  
 3月、政府はドイツで開かれた国際情報通信技術見本市「CeBIT(セビット)2017」で、コネクテッド・インダストリーズを発表した。安倍晋三首相はアンゲラ・メルケル首相との首脳会談で、「日本の産業の未来を示す新たなビジョン」としてこの新戦略を紹介。自国製造業を次世代化するため「インダストリー4・0(I4・0)」を推進するドイツ政府に対し、日本なりの構想を示した格好だ。
 CeBIT2017には世耕経産相も参加。ブリギッテ・ツィプリース独経済エネルギー相と共同声明「ハノーバー宣言」を発し、コネクテッド・インダストリーズとI4・0が積極的に連携していくことを確認した。「良い相互補完関係ができることが分かった」(世耕経産相)という。製造現場のデータという強みを維持しつつ、ドイツが得意な国際標準化などではうまく力を借り、産業の変革をリードしたい考えだ。

コネクテッドインダストリーズによる「勝ち筋」

活用のルールづくりカギに

 新たな構想の実現に向け、経産省はデータ活用を促すための環境作りを急ぐ。一例が、活用をめぐるルールの整備だ。どこからを個社のデータとし、どこまでを共有するかは線引きが難しいところ。場合によっては、企業間の紛争に発展しかねない。このため、まずは「データの利用権限」の概念の普及に努める。また、データの扱いに関する契約が企業間で適正に結ばれるよう、ガイドラインも作成・公開した。 このほかデータの記述様式が統一されていないなど、課題は少なくない。企業と企業、機械と機械などあらゆる要素を円滑につなげるため、国のリーダーシップが求められている。

4分野を重点化

 また、経産省はコネクテッド・インダストリーズの分野別課題として、「スマートモノづくり」「自動走行」「ロボット、ドローン」「バイオ、ヘルスケア」の4分野を特に強化する対象として掲げた。
 「今後データの利活用により価値創出が特に期待されるとともに、日本が強みを発揮できる領域だ」と徳増伸二製造産業局参事官は選定の理由を説明する。これら4分野を中心にIoT、AIなどの導入を促す施策が、これから拡充されそうだ。 中でもモノづくりは裾野が広く、施策への期待は大きい。足元では、デジタル技術の積極活用を支援する「スマート工場実証事業」が進む。2016年度には補助および委託の対象として計14件を採択。次代のモノづくりを牽引する先進事例を生み出すべく、エクセディ、小島プレス工業、ジェイテクトなどが実証を行った。第4次産業革命をリードすべく始動したコネクテッド・インダストリーズ。今後はこの概念を、どれだけ産業界に浸透させられるかもポイントだ。旗振り役として、経産省の求心力が試される。

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