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(2024/11/30)
カテゴリ:商品サービス
リリース発行企業:JST
JST(理事長 橋本 和仁)は、研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) 実装支援(返済型)の2024年度募集における開発課題を選定し、ナノミストテクノロジーズ株式会社(本社:徳島県鳴門市、代表取締役社長:松浦 一雄)に対する開発支援を決定しました。
1.開発課題名
普及型超音波霧化分離(R)装置の開発
※「霧化分離」はナノミストテクノロジーズ株式会社の登録商標です。
2.技術シーズを創出した大学等の研究者
徳島大学 生物資源産業学部 准教授 佐々木 千鶴
3.開発実施企業
4.概要
さまざまな分野の製造プロセスにおいて、液体混合物(対象溶液)の分離や濃縮の工程がある。その分離や濃縮の処理の1つの方法として行われてきたのが蒸発・蒸留である。この方法は対象溶液を加熱・加圧し、沸点の差を利用して対象溶液を分離、濃縮する。しかしながら、この方法は加熱・加圧する必要があるため、多くの化石燃料が消費されCO2が排出されるとともに、消費エネルギー量の多さによって高コストになる。そのため、高い環境負荷と高いコストを解決する新たな処理方法が求められてきた。
このような課題を受け、ナノミストテクノロジーズ株式会社は世界に先駆けて独自の超音波霧化分離技術を開発した。この方法は、超音波振動子への通電により発生させた超音波が液体を霧化することで数マイクロメートル以下のミストを効率よく生成させ、このミストを粒子径に応じて送風で分離するもので、分離された微細なミストを冷却回収することができる(図)。超音波霧化分離法では加熱・加圧が不要であるため、環境負荷とコストを抑えることが可能となる。
同社は、この技術を用いた霧化分離装置の販売を開始しているが、現状では顧客ニーズ・仕様に合わせた完全個別受注生産で高い生産コストでの製造を余儀なくされている。
一方で、徳島大学の佐々木 准教授は、同社と共に、超音波振動子の劣化を遠隔で検出可能な超音波霧化システムを開発した。これにより、霧化効率を一定に維持させるために重要な超音波振動子を最適な時期に交換でき、装置の安定な稼働を実現した。
そこで同社は、本制度の支援により、今後超音波霧化分離装置の量産化を視野に、徳島大学の技術を組み込んだ霧化分離装置に関する生産技術の開発を行う。具体的には、装置構成部品の金型などによる製造方法の確立、電子制御系の基板化・IoT化を行い、それらを一体化させた超音波霧化分離装置を作製し、正常稼働を確認する。
本開発により、超音波霧化分離装置の工期短縮およびコストの削減につながり、部品の安定的な生産が可能となり、半導体等の製造プロセスにおける溶剤の再利用に向けた回収、産業廃液やメタン発酵消化液などからの有価物の回収、排水処理における減容と不要物除去など、幅広い業界・用途への導入が見込まれる。将来的には微細ミストへのCO2吸着によるCO2回収も期待され、これらを通じてカーボンニュートラル・脱炭素社会に貢献する。
図 霧化分離技術の概要
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1.制度概要
大学等の研究成果(技術シーズ)の社会実装を目指すスタートアップ等を対象に、革新的な製品・サービス創出に向けた実用化開発を開発費の貸し付けにより支援するものです。
2.対象企業:スタートアップ等
3.支援規模
・開発期間:最長3年間
・開発費:上限5億円(四半期ごとに概算額を前払い)
4.返済条件:
・返済額 :JSTが支出した開発費の全額
・利 率 :無利子
・返済期間:開発終了後、10年以内(うち最長3年間は返済猶予が可能)
・返済方法:一括又は分割(事業計画に応じる)
※開発終了後の事後評価結果(高評価順にS,A,B,C)がB評価以上の場合です
5.担保または保証:開発費総額の10%相当分
6.ご相談期間:通年で随時受付中
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▶お問い合わせ先
国立研究開発法人科学技術振興機構 スタートアップ・技術移転推進部 実装支援グループ
●E-Mail:jitsuyoka[at]jst.go.jp([at]を@に置き換えてください)
●Webフォーム:A-STEP お問い合わせ/ご意見・ご要望フォーム
●Tel:03-5214-8995
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