[ 機械 ]

第46回機械工業デザイン賞(6)日本商工会議所会頭賞−ヒラカワ

(2016/8/5 05:00)

  • 潜熱回収貫流ボイラと開発者の島倉滋賀事業所開発室開発グループ長(右)と吉井同開発グループ技師

【潜熱回収貫流ボイラ ConboGas CG―3000】

高効率で“かっこよさ”追求

ヒラカワ(大阪市北区、平川晋一社長、06・6458・8687)の潜熱回収貫流ボイラ「ConboGas(コンボガス) CG―3000」は、広域な燃焼幅(ターンダウン比)と業界最高水準の運転効率を誇る。白を基調とし、赤と黒を配色した外観が目を引く。高い機能は当然ながら「かっこいい製品にしたかった」(島倉聖滋賀事業所開発室開発グループ長)。工場の生産設備やビルの空調設備、給湯設備などの施設で使われる取り扱いが簡単な小型貫流ボイラは、運転と停止の繰り返しによる運転効率低下が課題だった。

同社は運転負荷に応じてバーナーの出力を連続的に変えられる比例制御燃焼方式を採用し燃焼幅100―10%(ターンダウン比10対1)を達成。定格の10%まで火が消えないため、運転効率の低下を最小限に抑えられる。他社従来品ではターンダウン比7対1が最大だという。自社のマイコン開発グループと協力して制御用ソフトウエアの改良に取り組んだ結果だ。運転負荷に追従して燃焼可能なバーナーと潜熱回収技術により、ボイラ効率は運転負荷全域で101―102%(低位発熱量基準)を実現した。

デザインは社外のデザイナーの提案も取り入れ、ケーシング(筐体)の角に丸みをつけて柔らかいイメージに仕上げた。「絶対的に目立つ」(島倉グループ長)白色の複数のパネルを組み合わせたケーシングの上部に、ロゴを取り付けた赤いパネルを配置。操作部も立体的な配置にした。「ケーシングだけで4、5回試作」(吉井悦二滋賀事業所開発室開発グループ技師)するなど試行錯誤した。

同社は換算蒸発量で毎時1500キロ―2500キログラムまでのシリーズ機種で200台弱の実績を持つ。改善を加え同3000キログラムと大型のCG―3000を開発し、2015年10月に発売。すでに2台を納入した。今後も差別化製品の開発を目指し「他にはないものを」(同)、「(他社に)追いかけられる商品をつくりたい」(島倉グループ長)と意欲を燃やす。

(大阪・窪田美沙)

(2016/8/5 05:00)

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