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[ 自動車・輸送機 ]
(2016/8/25 05:00)
三菱重工業は2017年度から神戸造船所(神戸市兵庫区)で、米ボーイングの次世代大型旅客機「777X」向け胴体部品を生産する。三菱重工は777X向け後部と尾部胴体を担当。神戸造船所でスキンパネル(外板)を成形し、広島製作所・江波工場(広島市中区)で表面処理や補強材の組み付け、最終組み立てを行う。777Xは17年の量産開始を予定する。三菱重工はこれに合わせ生産拠点の再編や能力増強を実施しており、今回もその一環となる。
神戸造船所内の既存建屋を活用し、スキンパネルを生産する。アルミニウム合金板を型に押しつけて板を伸ばしながら加工する成形機や、各種加工機を16年度にも設置する。民間航空機事業が属する交通・輸送ドメインは、16年度に689億円の設備投資を計画しており、その一部を充てる。
現行機種「777」のスキン成形は大江工場(名古屋市港区)が担当している。777Xでは神戸造船所に最新設備を導入し、コストダウンを図る。当面は777と777X向けを並行して生産する。
三菱重工はボーイング向け機体部品を広島製作所で生産している。距離が近い神戸造船所で777X部品を生産することで、リードタイム短縮や輸送コスト低減につなげる。神戸造船所では国産小型旅客機「MRJ」の主翼部品も量産する計画だ。
三菱重工が民間航空機事業で生産改革を進めるのは、機体メーカーであるボーイングと欧エアバスの激しい価格競争が背景にある。ボーイングは777Xで、サプライヤー各社に15―20%のコストダウンを要請しているとみられる。
このため川崎重工業や富士重工業なども、新工場建設や自動化設備の導入で生産性向上に取り組んでいる。777Xは20年の初号機引き渡しを計画。現在、320機を受注している。
(2016/8/25 05:00)
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