[ 化学・金属・繊維 ]

トシコ、表面粗さ10分の1に抑制する表面処理加工技術

(2017/5/30 05:00)

  • 6月から平滑性と付着しにくさを両立させた表面処理の受託加工を開始(トシコ本社)

【川越】トシコ(埼玉県川越市、諏訪部充弘社長、049・227・1045)は、表面の平滑性と粘着物が付着しない特性を両立させた表面処理加工技術を確立した。6月から受託加工を始める。これまでは表面に細かい凹凸を付けることで付着しない特性を実現していたが、この凹凸の大きさ(粗さ)を制御する技術の精度を高めたことで従来の性能をほぼ維持したまま、凹凸の粗さを最大で10分の1以下に抑えた。

トシコは1991年に基材の表面を改質して付着物を付きにくくする「トシカルSコーティング」を開発。その一環で、主にゴム製品の製造装置向けに、加硫前のゴムが搬送用ローラーに付着しない表面加工「TS―1000」を請け負っている。ただ「より精密な部品の搬送装置では、凹凸によってロールがガタガタしてしまい、寸法精度が狂ってしまう」(諏訪部社長)課題があり、凹凸の粗さを抑える開発を進めていた。

その結果、TS―1000の表面粗さが10マイクロ―15マイクロメートル(マイクロは100万分の1)に対し、今回開発したTS―1400が2マイクロ―5マイクロメートル、同1310は、0・8マイクロ―2マイクロメートル相当を実現した。人間の触覚ではざらざらした感覚をほぼなくした。

これにより、タイヤなどのゴム製品だけでなく、半導体・液晶製造装置などより高い精度が求められる領域にも展開できるとしている。さらに「切ったモノが付着しないので、刃物にも使える」(同)としており、トシカルSコーティングのシリーズ全体で2018年5月期は25%の売り上げ増を見込む。

(2017/5/30 05:00)

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