【電子版】中国イノベーション事情（１２）新鋭イノベーティブ都市・杭州の躍進（上）

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  杭州市内から車で30分ほどのところにあるアリババの本社（筆者撮影）

アリババが先導役

昔の詩人は「上有天堂、下有蘇杭」（上にパラダイスあり、下に蘇州と杭州あり）と蘇州と杭州の風光明媚な景観と魅力を表現した。蘇州も杭州も古き良き都市だが、「改革・開放」以降の経済発展で、現代の都市へと変貌を遂げている。

蘇州は江蘇省の都市で、シンガポール政府と共同開発した蘇州工業園区が有名である。杭州は浙江省の省都で、2016年の常住人口は約918万人に達し、メガシティー（人口1000万人以上の都市）の規模に近づいている。両市とも中国の経済発展に重要な役割を果たしている長江デルタ（長江河口のデルタを中心とした地域で、上海市のほか、江蘇省と浙江省の都市から構成）に位置する重要な都市である。今回と次回の連載で杭州を中心に紹介する。

21世紀に入ってから杭州の域内総生産（GRP）は順調に増えてきており...