[ 機械 ]

鍛圧機械各社、IoTサービス本格化 加工支援も実現

(2017/7/14 05:00)

  • アマダは18年に始める新サービスを前面に押し出している

鍛圧機械各社がIoT(モノのインターネット)を活用したサービスを本格化する。機械の稼働状況監視にとどまらず、具体的な加工支援にまで踏み込む企業も出ている。製品の加工性能だけでなく、サービス品質が各社の競争軸になっている。(名古屋・戸村智幸、西沢亮、孝志勇輔)

【具体的な助言】

「アシストガス圧を10%上げてください」―。アマダホールディングスが2018年1月にサービスを始めるIoTを活用した板金加工システム「Vファクトリー」を活用すると、加工断面の粗さに悩む顧客に対し、加工改善につながる助言を瞬時に得られる。

使い方は、アマダのレーザー加工機で加工した対象物(ワーク)の加工断面をタブレット端末で撮影してアマダの専用サイトに送信するだけ。

アマダはワークのバリの出方など画像から得られる情報、IoTで集めたレーザー加工機の稼働情報、これまで蓄積してきた加工ノウハウなどから改善につながる具体的な助言を作成する。「同じ加工機でも使われ方により精度や状態が異なる」(同社担当者)ため、顧客ごとに具体的な助言を送る。

【レーザー加工機】

ヤマザキマザックは工作機械で培ったIoTのノウハウをレーザー加工機にも展開する。工作機械の稼働状況監視・分析ソフトウエアのレーザー加工機版を開発した。レーザー発振器の使用効率や出力、周波数などレーザーの状態をスマートフォンなどで確認できる。

米シスコシステムズと共同開発したネットワーク接続装置はレーザー加工機にも適用でき、工場の稼働状況を収集できる。セキュリティーが高いほか、米国発の通信規格「MTコネクト」に対応している。

ヤマザキマザックはレーザー加工機の顧客のIoT活用はまだ進んでいないと見る。中西正純常務執行役員営業本部本部長は「IoTがわかりづらいこともあり、導入は遅れている」と現状を説いた上で、「分析機能やセキュリティーの高さなどのメリットを伝える」と採用拡大に意気込む。

【予防保全】

コマツ産機(金沢市)はIoTを活用した生産支援システム「KOM―MICS(コムミックス)」の提供開始を控える。顧客のプレス機・板金機械の稼働データ収集や予防保全に役立てる。

親会社のコマツが建設機械工場で培った生産データ収集の仕組みを応用した。工場に適した専用端末を使用し、製品や生産のデータをもとに歩留まりやトレーサビリティー(履歴管理)を向上できる。

久米真司事業管理部長は「未来の現場をサポートする」と位置付けを説明し、ビジネスモデルの拡充を見据える。プレス機械・板金機械の販売拡大への貢献も期待される。

→ MF-Tokyo2017特集

(2017/7/14 05:00)

総合4のニュース一覧

おすすめコンテンツ

今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい空気圧の本

今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい空気圧の本

技術士第一次試験「機械部門」専門科目過去問題 解答と解説 第9版

技術士第一次試験「機械部門」専門科目過去問題 解答と解説 第9版

誰も教えてくれない製造業DX成功の秘訣

誰も教えてくれない製造業DX成功の秘訣

電験三種 合格への厳選100問 第3版

電験三種 合格への厳選100問 第3版

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン