[ 科学技術・大学 ]

タイガー魔法瓶、JAXAと大気圏突入容器を開発 内部4℃に保つ

(2017/7/19 05:00)

  • 大気圏に再突入するカプセルの想像図(JAXA提供)

タイガー魔法瓶(大阪府門真市、菊池嘉聡〈よしさと〉社長、06・6906・2114)は、国際宇宙ステーション(ISS)の実験成果物を収納する「真空二重断熱容器」を開発した。大気圏突入時の高温下でも容器内部を4度Cに保つ断熱性と、海上落下時の衝撃に耐える強度を備える。宇宙で作成したたんぱく質などを収める予定。ISS向け無人輸送機の次期打ち上げ機「こうのとり7号機」に載せる計画だ。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同開発した。タイガーが宇宙産業向け製品を手がけるのは初めて。

容器サイズは直径29センチ×高さ34センチメートルで、重さ約10キログラム。実験成果物を入れる「内容器」と「外容器」の二重構造で構成し、魔法瓶に用いる真空断熱技術を応用した。パラシュートを装備した小型回収カプセルに内蔵し、こうのとりの先端部分に設置する。

重ね合わせる部分を長くとることで真空断熱部分を厚くし、内部への入熱量を低減した。宇宙からの成果物回収容器は通常、温度維持に電源を使う。開発した断熱容器は保冷剤のみで温度を維持でき、電源が不要。

回収が成功すれば「無電源で冷蔵品を回収できる日本初の断熱容器になる」(JAXA開発担当者)という。タイガーは今後、長期保冷可能なクーラーボックスの開発などにも断熱容器の技術を生かす方針だ。

(2017/7/19 05:00)

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