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[ 商社・流通・サービス ]
(2018/2/2 05:00)
東京メトロは2018年度、丸ノ内線の一部区間で運行管理機能を持つ無線式列車制御システム「CBTC」の試験運転を始める。安全性評価を進め、19年度内にも丸ノ内線全線への導入を最終判断する。国内メーカーを選定し、試験区間の工事に着手した。CBTCは欧州の都市鉄道などで普及するが、国内での導入例はない。23年春の運用開始を目指し、機能や仕様を詰めていく方針だ。
CBTCの試験区間は丸ノ内線の分岐線である中野坂上(東京都中野区)―方南町(同杉並区)。営業終了後の夜間に試験を行う。通信には無線LANにも使う2・4ギガヘルツ帯を利用するため、通信の安定性や伝送遅延の発生などを検証する。
CBTCは従来の地上信号システムのように区間ごとに走行を許可する方式でなく、各車両が常に先行車両との安全距離を計算しながら走行する。このため、柔軟な列車運行が可能で早期に遅れを回復できる。地上設備が少ないため保守作業の軽減も見込める。
国内ではJR東日本が、常磐緩行線の綾瀬(東京都足立区)―取手(茨城県取手市)間への導入を計画し、仏タレスと検討を進めていたが、技術課題と費用の面から断念。同社は独自の無線式列車制御システム「ATACS(アタックス)」の推進を決めている。
国内メーカー各社も海外での鉄道システム受注を目指し、CBTCの開発に力を注ぐ。一方、海外メーカーも国際標準規格であるCBTCで日本の鉄道市場への参入を狙う。
丸ノ内線への導入が国内初となるため、採用した機能や仕様などは今後、他の私鉄や地下鉄がCBTCの導入を検討する際の標準仕様になりそうだ。
(2018/2/2 05:00)
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