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産業春秋/「プラザ合意」再来懸念

(2018/9/21 05:00)

1985年9月22日、先進5カ国蔵相・中央銀行総裁会議(G5)でドル高是正のための協調介入を行う取り決めがなされた。これが「プラザ合意」だ。その後、1年で為替相場は1ドル=約240円から1ドル=約160円と急激な円高ドル安に変動した。

これによって、日本の貿易黒字(輸出)にブレーキがかかった。一方、80年代当時は現在のような企業や個人が海外投資を行う土壌がなかったため、国内でマネーがだぶつく「カネ余り」が起こる。

このカネが株と土地に向かい、バブル景気が訪れた。世界の企業時価総額トップ10のうち8社を日本企業が占め、山手線内の地価だけで全米の地価を上回ったと言われるほど、日本の株価バブルと不動産バブルは、想像を絶する膨らみをみせた。

株価は89年末を、地価公示価格は91年をそれぞれピークに暴落し、バブルは弾けた。プラザ合意は日本に一時の栄華と、その後20年に及ぶ低迷をもたらした。

歴史にもしは禁物。しかし、「もしプラザ合意がなければ」、日本にバブル景気はなかったに違いない。当時とは経済状況は違うものの、中間選挙を控えて、トランプ米大統領が「プラザ合意」という“伝家の宝刀”を抜かないとも言い切れない。

(2018/9/21 05:00)

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