[ オピニオン ]

社説/愛知県国際展示場が開業 展示会の国際化へ人材育成を

(2019/8/23 05:00)

8月30日、愛知県常滑市に展示面積6万平方メートルの愛知県国際展示場「アイチ・スカイ・エキスポ」が開業する。自動車、航空宇宙産業の一大集積地という立地特性を背景に、中部国際空港直結などの利便性の良さを発揮し、国際的なイベント、展示会の招致に期待が高まる。地元に限らず、日本の産業競争力の強化につなげるとともに、日本の展示会の国際化を進めるきっかけにしたい。

ヒト、モノ、情報が集まる展示会は商談重視の傾向を強めており、ビジネスマッチングの場を求めて企業の出展意欲がおう盛だ。だが大規模な国際展示会は海外中心で、欧米のほかアジア各国での開催が目立っている。それらに比べると、日本では国際展示会がまだ少ない。

理由の一つとして、大規模展示会が開催できるだけのキャパシティーのある会場が少ないことがある。海外には20万平方メートル以上の大型展示場もめずらしくない。国内では東京ビッグサイトの展示面積約11万5000平方メートルが最大で、次いで幕張メッセ、インテックス大阪と続く。

愛知県国際展示場は展示面積こそ国内4番目の規模だが、日本唯一の常設の保税展示場という他の会場にない特徴を持つ。海外製品を持ち込む際の手続きが簡易になり、展示会主催者へのアピール材料にしたい。

運営にはフランスの大手イベント会社、GLイベンツが参加している。世界各国で展示会事業を展開するGLイベンツのネットワークを活用し、展示会招致のほか、新たな国際産業展の立ち上げに取り組む考えだ。

GLイベンツとの連携を通じて、展示会事業を支える人材育成を図れないものか。展示会の国際化を進める上で、国際感覚を身につけたグローバル人材の育成、確保は喫緊の課題だ。

モノづくりをリードする地域に立地する国際展示場らしく、2019年から2年連続で技能五輪全国大会が行われ、20年開催の「ワールド・ロボット・サミット(WRS)」の会場に決まっている。新たなイノベーションを創出する国際的な交流拠点としても機能してほしい。

(2019/8/23 05:00)

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