産業春秋／北海道胆振東部地震から４年

　北海道胆振（いぶり）東部地震が発生して６日で４年になる。最大震度７の大地震は４０人超の犠牲者を出し、土砂崩れなどによる住宅被害は約４万９４００戸に及んだ。日本初の「ブラックアウト」が起きたことも忘れられない

　ブラックアウトとは、大手電力会社の管轄する地域の全てが停電になる現象で、約２９５万戸の大規模停電となった。経済産業省・資源エネルギー庁によると、地震発生からブラックアウトが起こるまでの時間はわずか１７分だった

　 この１７分の間、異なる理由で複数の発電所が停止した。北海道の電力のほぼ半分を賄う苫東（とまとう）厚真発電所は機器の損壊、水力発電所は送電線の断絶、風力発電所は周波数の低下により次々と停止していった

　ブラックアウトは発生から約５０時間で約９９％が復旧。北海道電力は事前に定めた手順に従って復旧作業を行い、政府の検証委員会は「おおむね妥当な対応」と評価している

　東京都は太陽光発電などの自家発電システムの導入を推奨している。昨今の電力不足や環境対策となるもので、停電への備えにもなる。２０２１年に全国で起きた震度４以上の地震は５４回を数えたという。自ら電力を作り・蓄えることも選択肢に加えたい。