産業春秋/トルコ・シリア地震、耐震基準満たさず

(2023/2/17 05:00)

トルコ南部を震源とする大地震の犠牲者が、トルコ・シリア両国で合わせて5万人近くに達するとの見方が出ている。多くが建物の倒壊による犠牲者で、耐震基準が徹底されていたかを疑問視する指摘もある。

トルコは約1万7000人の犠牲者を出した1999年のイズミット地震(トルコ北西部)を教訓に、新たな耐震基準に変更していたという。だが新基準の施行後に新築された集合住宅が倒壊したとの報道も。

耐震化の遅れが住宅で顕著だったのは、倒壊の惨状を見れば明らかだ。公共施設ではある程度耐震化は進んでいたようだ。住宅は不良施工も取りざたされる。これほどの惨事となった原因をトルコ政府は十分に検証する必要がある。

耐震基準をめぐる大地震として、95年の阪神・淡路大震災を思い出す。犠牲者の多くが住宅倒壊による圧死とされ、81年以前の耐震基準で建てられた住宅で大きな被害が相次いだ。日本では81年に新建築基準法が施行された。旧基準の住宅は耐震化を講じておきたい。

トルコ・シリアでは厳しい寒さの中で救助活動が続く。トルコ政府によると、崩壊した建物は約4万7000戸に達するという。復興への国際協調も欠かせない。

(2023/2/17 05:00)

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