産業春秋/実りの秋を実感できるのはいつ

(2023/10/30 05:00)

2023年は猛暑が長引き、農作物の生育が例年以上に心配された。しかし農林水産省が発表した23年の米の作況指数は100で平年並み。とはいえ食料品の価格は上昇しており“実りの秋”は実感できない。

言うまでもなく、原因は不安定な国際情勢にある。世界の人口が増え続けていることからも、食の安定確保は我が事として考えなければならない時代になった。

1993年は記録的な冷夏となり、米が不作だった。買い占めもあってスーパーなどの店頭から米が姿を消し、社会は混乱した。政府がタイなどから緊急輸入したが、日本人の口に合わず不評だった。

以来、食料自給率の向上は、ことさらに叫ばれているが、需要減があり米の作付面積は年々減っている。カロリーベースの食料自給率は65年に73%あったが、22年には38%と半減している。

同時に農業の担い手は高齢化し、減少した。対策として政府は企業の農業参入を促す施策を打ち出し、4月には農地法の改正で農地の取得下限面積を撤廃した。ただこれは、企業にとって採算の合う大規模な農地が簡単に確保できないことの裏返し。実りの秋を実感できる時代にするには、息の長い取り組みが必要だ。

(2023/10/30 05:00)

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