生産現場にもっと3Dプリンターを役立てたい A.switch

(2023/12/11 12:00)

  • 3Dプリンターで造形した樹脂部品と金属部品を組み合わせて製作した自動化装置のサンプル

A.switch(アズウィッチ、茨城県つくば市、門敬太最高経営責任者〈CEO〉)は、3Dプリンターによる造形代行サービスなどを手がける。同社が3Dプリンターで作るのは樹脂の部品で、特に工場の自動化設備で使われる治工具などに採用されている。同社には造形代行だけでなく設計ができる強みがあり、3Dプリンターで作った部品を効果的に組み込んだ自動化設備の提案を通じ、工場自動化(FA)市場の開拓を目指している。

「生産現場にもっと3Dプリンターを役立てたい」。伴野元紀最高執行責任者(COO)はこう強調する。

複雑形状の部品を1個から簡便に作り出せる3Dプリンターは、生産設備の治工具やロボット部品の製造に適している。同社では一例として、多関節ロボットとロボットハンドを接続するアタッチメント部品を3Dプリンターで製作している。金属部品に比べてコストの抑制や導入期間の短縮、設備の軽量化を実現できるメリットがある。

同社には3Dプリンターでの造形に適した部品の設計手法を用いて高精度に部品を作るノウハウがある。「精度などの観点から3Dプリンターの部品はモノづくりの現場で使いにくいと思われがちだが、そのイメージを変えていきたい」と伴野COOは話す。

さらに3Dプリンターのノウハウと機械設計の知見を併せ持つのが同社の特徴で、3Dプリンターの樹脂部品を含んだユニット全体を設計できる強みがある。全ての部品を3Dプリンターで作るのではなく、構成部品のうち強度が必要な箇所には金属部品を採用するなど樹脂と金属を複合した設備を提案し、顧客の生産自動化を支援する。

同社は機械設計会社に勤めていた門CEOと伴野COOが独立して2018年に設立した。「新しいモノづくりを世の中に広めたい」と高い理念を掲げ、3Dプリンターでの造形代行の月額サービスやモノづくり教育などさまざまな事業にも挑戦する考えだ。

(2023/12/11 12:00)

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