インタビュー/やまやコミュニケーションズ本社工場統括工場長・但馬祐司氏 生産拠点集約で生産性向上

(2023/12/20 12:00)

辛子めんたいこを製造・販売する、やまやコミュニケーションズ(福岡県篠栗町、山本正秀社長)は、福岡市内で分散していた四つの生産拠点を設備ごと移設、集約した本社・新工場を完成、4月に稼働した。但馬祐司サプライチェーン本部プラント部部長兼本社工場統括工場長に、新工場の特徴や人材育成について聞いた。

―新工場の強みは何ですか。

「購入した原料から製品までを1拠点で一貫生産できるようになり、生産性が大きく向上した。分散時のような原料の一時凍結は必要なくなった。業界では珍しい人工知能(AI)を使ったタラコの自動選別機を日本IBMと共同開発し導入している。タラコの表面の血筋や破れなどからグレードを見分け、選別し、ライン上でギフト用と『バラコ』と呼ばれる皮がない製品とに分ける。自動化した梱包(こんぽう)用パレタイザーも導入した」

「併設するレストランや売店で、作りたてのめんたいこを使った特別メニューや商品を提供しており好評だ。めんたいこの漬け込みなど、お客さまがわくわくするモノづくり体験もできる」

―人手不足の中で安定雇用をどのように実現しますか。

「生産現場では技能実習生を採用している。工場従業員の約50%は外国人。約10年前からインドネシアやベトナム国籍が増えた。年間20―30人を安定的に起用している。期間の3年を過ぎても特定技能制度を活用して残る人材もいる」

「AIの活用で属人化を防ぎ、人と機械の共存を目指す。入社間もない人でも原料のタラコを機械上に置くだけで、自動で分類や製造ラインに進むようなシステムを構築した」

―安心・安全の取り組みや現場の工夫は。

「従来の金属探知機に加えてエックス線(X線)検査装置を使い、異物混入を徹底して防ぐ。精密機械が水にぬれないような製造方法を考え、手順書を作って標準化している」

―課題は何でしょうか。

「全体で10―15%の生産性向上の実現を目指す。食品安全マネジメントシステムに関する国際規格『FSSC』の2023年度中の取得も目標。取得後はアピールすることも必要だ」

(2023/12/20 12:00)

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