若手の努力、BツーC商品で見える化 藤原専務・藤原弘三氏に聞く

(2024/2/7 12:00)

藤原(兵庫県小野市、藤原克弘社長)は、鋳型中子の製造を主事業とする。シェルモールド鋳造法を活用し、精密で高品質な鋳型を提供。自動車や鉄道車両、建設機械など向け鋳物の大量生産とコストダウンを支えている。従業員の意識を高める取り組みを藤原弘三専務に聞いた。

―モノづくりの強みは。

「中子と金型の一貫生産に取り組んでいることだ。砂型と金型、両方の設計・製作に自信がある。自社での一貫生産により、中子の設計から製造まで、従来は約8週間を要していたところを5週間程度にまで短縮できる。また、これらの鋳型を使った金属加工の試作なども手がけており、入り口から出口まで自社で行えるのが強みである。ただ会社の収容力が大きくないので、現時点では、これまでの顧客の要望や相談にきめ細かく対応することを第一に心がけている」

―主事業に加え、スズ製酒器の製造も始めました。きっかけは。

「当社では『素早い対応』をモットーとし、これまで時には休日も出勤して顧客の要求に応えてきた。これは大切なことではあるが、若い従業員にはそういった自分の努力や頑張りを、もっと見える形にしてやりたいと思ったことがきっかけだ。そのため持ち前の技術を活用したBツーC(対消費者)製品の展開に着手した。スズ製酒器のエンドユーザーからの評判は良く、従業員の仕事に対する意識向上につながっている。価格決定で優位性がある、こういった製品をもっと増やしていきたいと考えている。BツーC製品の展開はアイデアを生み出す力や、それを具現化するための技術力の向上にもつながっており、本業である中子製造のスキルも向上している。人材育成に向けても、こうした製造現場での新たな取り組みを続けていく考えだ」

―人手不足が叫ばれています。

「特に中小企業にとって人手不足は大きな課題であるが、重要な点は従業員の定着率を高めることだと思っている。そのためにはチームワークが大切だ。従業員にとってやりがいのある仕事であり、魅力的な会社であれば転職などしないと信じており、人手不足も大きな壁ではないと思っている」

(2024/2/7 12:00)

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