インタビュー/積水ハウス業務役員・松村耕也氏 大工競技会でグループ力向上

(2024/3/13 12:00)

積水ハウスは協力会社の職方の技術力を競い合う「積水ハウス大工選手権大会 WAZA」を2023年に初開催した。高品質な戸建住宅を実現するには、協力会社との密な連携が不可欠だ。開催の狙いや、技術力向上の取り組みなどについて、施工本部長の松村耕也業務役員に聞いた。

―開催の狙いは。

「当社の施工力を支えているのは、協力会社と積水ハウス建設グループで構成する『積水ハウス会』という任意組織だ。主に積水ハウス建設グループが基礎、建方、外装などを手がけ、協力会社は内装や電気・水道工事などを担う。その職方への感謝とねぎらいの気持ちを表したかった。競技を通じ、技術を高めてほしいという思いもあった」

―職方の人材不足解消につながりますか。

「人材不足は業界全体の課題ではあるが、大工選手権大会はその解消を前提にしているわけではない。職方は高い技術力だけでなく、顧客とのコミュニケーション能力も求められる。それでもなり手が少ないのは事実。もっとイメージを向上させたい」

―積水ハウス会の加盟会社への支援は。

「当社が全国3カ所で展開する『教育訓練センター・訓練校』で実習を受けてもらう。事業承継など経営関連のセミナーも開く。積水ハウス会としての年金制度などもあり、職方を守る体制を整備している」

―時間外労働の上限規制が適用される「2024年問題」への対応は。

「必要な工期をしっかり確保し契約しているため、当社としては、それほど大きな課題とは考えていない。デジタル変革(DX)導入により、現場の難易度や個人の能力などを数値化し、無理のない予定を組んでいる。生産性向上で、協力会社の職方の年収を最大化していく。同様のDXの仕組みを不動産、リフォーム、建築請負などの事業子会社も交えて展開したい」

―米国や豪州などで戸建住宅事業を拡大中です。今後の展開は。

「日本と海外では技術力の差が大きい。海外子会社に人材を派遣し、当社のやり方と現地のやり方を融合させていく。大工選手権は11月に第2回大会を開催予定。数十年後には世界大会という形にできたらと考えている」

(2024/3/13 12:00)

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