ユニバーサルロボット、周辺機器認証し協働ロボ導入加速

(2024/4/8 12:00)

  • 2023年11月に発表した「UR30」は重量物搬送の自動化需要を見通す

デンマークのユニバーサルロボット(UR)は協働ロボット界のパイオニアだ。同社の協働ロボットは各軸の可動域が広く、複雑な軌道を描く用途でも導入しやすいほか、ロボットを直接手で動かし教示するダイレクトティーチングにも対応。単純作業の自動化による生産性向上や人にしかできない付加価値の高い作業に人的資源を投下する手段として、大手から中小まで幅広く採用されている。

人手不足も相まって協働ロボット市場は急速に成長する。複数のシンクタンクは協働ロボット市場の年平均成長率(CAGR)が30%以上に上ると予測。URは製品群を拡充してこの需要を取り込む姿勢を強めている。

2023年11月に東京都内で開幕したロボット見本市「2023国際ロボット展」に合わせて可搬重量30キログラムの新機種の受注を始めた。同程度の可搬能力を有する他社製の協働ロボットよりもリーチが短いため、軽量かつ専有面積が小さい。大型の加工対象物(ワーク)のマシンテンディング(工作機械などへのワークの搬出入)や、段ボール箱のパレタイジングなど幅広い用途に対応できる仕様だ。

UR日本支社(東京都港区)の山根剛代表は「高齢化社会に加え、若い人が重作業を嫌がる傾向がある中、重作業の自動化が協働ロボットの成長スピードを早める」と考える。

 また、URが競合他社から一目置かれるのが、独自のエコシステムにある。R製ロボット用にカスタマイズされたデベロッパーの周辺機器群やアプリケーションなどを「UR+(プラス)」製品として認証。この仕組みによって、迅速なロボットシステムの構築などを後押しできる。

協働ロボットは伝統的な産業用ロボットに比べると歴史が浅い。「リスクを取って新しいイノベーションを導入することへの抵抗を打破し、普及の“スパーク”時期を早めたい」(山根代表)として、普及のカギを握ると分析する認知度向上や教育機会の提供を加速させる構えだ。

(2024/4/8 12:00)

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