(2024/4/15 12:00)
古田工業(浜松市浜名区、古田敏勝社長)は、2輪車用アルミニウムダイカスト製部品のバリ取りや研磨を主力事業とする。輸送機器産業の集積地であり、アルミダイカストの取り扱いが多い静岡県西部地域の特色を反映した業態だ。同社は2023年、従来手作業で行っていた一部の加工対象物(ワーク)の研磨作業に産業用ロボットを導入し、自動化を実現した。会社として初の取り組みだ。
自動化したのはベルト研磨機を使う作業。つかんだワークをベルトサンドペーパーに押し当てる工程をロボットに置き換えた。作業者はロボットの稼働中に、同時並行で別案件に着手できるようになった。
実はこのロボットは、近隣企業からレンタルしている。アラキエンジニアリング(同市中央区)や東洋鉄工所(同)、藤本工業(同市浜名区)が各社の保有技術を持ち寄ってバリ取りの課題を自動化で解決する共同事業「TAFLINK(タフリンク)」の一環として古田工業に貸し出している。同社の後継者でもある古田一馬工場長とタフリンクの関係者との出会いがきっかけとなった。技術面は主にアラキエンジが支援している。
今後の人手不足や採用難を見据えると「自動化しなければいけない」(古田工場長)という課題意識はあった。だが、自身と会社がロボットの知見を持っていなかった。地域の企業との縁がそんな状況を打開した。
自動化は検討開始から約1年で実現した。社内での試行錯誤を経て、現在はロボットで研磨できるワークが3種類に増えた。同時に専用のハンドや治具、パレットを自社で設計・製造するようになった。治具を製造するための機械加工のノウハウも蓄積が進んでいる。さらに、加工終了を告げるブザーをロボットが押す作業を付け加えることができた。今後も引き続き「ロボットに対応するワークの種類を増やしていく」(同)方針だ。
(2024/4/15 12:00)
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