インタビュー/日清紡マイクロデバイス・瀬志本明氏 研究開発、対話と人脈重要

(2024/4/23 12:00)

日清紡マイクロデバイス(東京都中央区、吉岡圭一社長)の瀬志本明氏は、市場から高い評価を得る高音質オペアンプ「MUSES(ミューズ)」シリーズの開発者。過去の仕事から得られた教訓を聞いた。

  • さまざまな経験を経て築き上げた人脈が大きな財産と語る瀬志本氏

―過去の仕事を教えてください。

「入社後、約20年間取り組んだのが、ソニーの『ウォークマン』に組み込まれる半導体の設計。カセットに含まれる雑音を低減するもので、2代目から自分が開発した集積回路(IC)が使われ始めた。ホームシアターに組み込まれるICの設計にも携わった」

―MUSESを開発した経緯は。

「若い頃からスマートフォンを通じて音を聞く子どもたちに“音育”しなければいけないと思ったことがきっかけ。高音質という付加価値を感じてもらえるようMUSESブランドとして売り出したところ、オーディオ機器に組み込んで音質を体感した消費者から口コミで広がり、メーカーからの採用にもつながった。この際、マーケティングの勉強のために大学の講座も通った」

―過去の経験を通じて学んだことは。

「顧客とすり合わせながら、研究開発を行うこと。顧客と会話をしないと、自分の研究を進めることが目的になり、プロダクトアウト型になってしまう。議論しながら研究開発したものは、市場にすぐ受け入れられる」

―後輩に伝えたいことは。

「1人でできることと、共創によってできることは違うということ。現在グループで横串を刺し、ヘルスケア分野の開発に取り組んでいるが、人脈が重要だ。大学の講座、学会にも参加してきたことで異業種や大学とのつながりが生まれ、パートナーや営業先となった。それが自分の存在価値だと思う。次の世代にも同じことをさせており、人材も育ちつつある」

―普段心がけていることは。

「コミュニケーション。こちらが話さないと相手も話してくれない。設計の仕事に従事していた際は外にあまり出なかったが、大学時代の恩師が非常に社交的で、学会に出ていろいろな人と話す重要性を教えてくれた」

(2024/4/23 12:00)

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