制御盤用レール加工にロボ活用 八光オートメーション、効率向上・品質平準化

(2024/5/13 12:00)

  • ロボットを利用したレール加工システム

八光オートメーション(福岡県粕屋町、小野和雄社長)は、制御盤内に機器を取り付ける資材「DINレール」の切断・加工を目的にロボットを活用したシステムを構築した。制御盤の製作を効率化するため2022年に稼働した。

同社は搬送や空調、検査などの分野で自動制御システムを設計・製作する。ロボットシステムインテグレーター(SIer)としてロボットを組み合わせるシステムも手がける。レール加工システムの構築は自社のロボット活用技術を分かりやすく示す例にもなった。

機器の取り付けやすさなどから、同社はDINレールを用いる。仕入れ時は一定の長さのため、制御盤に使用する際には取り付け機器のレイアウトに合わせて切断する。制御盤に固定するためのレールの穴の位置も計算する必要がある。手が当たっても、けがをしないようヤスリをかけることもある。

従来、制御盤ごとに別々の担当者がレールを加工していた。だが、作業効率の向上や加工品質の平準化が課題だった。

レール加工システムは作業手順を分析した上で構築。「できるだけシンプルな機構で作ることを目指した」(小野拓雄専務)。また電動カッターなど既存の設備をできるだけ生かせるようにし、設置する空間の制約に応じて設計した。

システムには複数のレールをセットでき、切断後に取り出す。切断の内訳はタッチパネルで登録する。レールをつかむ部分に工夫を凝らした。従来のヤスリがけに相当する、角の部分を丸める処理も可能だ。穴の位置を考慮した切断もできる。

システム実現のポイントの一つだったのがレールに生じる振動への対応。レールの移動を見極めて対策を施した。また位置決め精度や繰り返し精度にもこだわり、「いかに精度を上げていくか」(同)に努力した。

レール加工システムは社内での移設も経験し、移設で生じるさまざまな課題に対処するノウハウも得た。

(2024/5/13 12:00)

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