産業春秋/児童手当18歳まで、政策効果は?

(2023/5/25 05:00)

中学生までだった児童手当の対象を18歳に引き上げ、第3子以降の児童手当を倍増する。政府は「異次元の少子化対策」の目玉政策である児童手当について、こうした拡充策を講じる方針だ。子どもを産み・育てるインセンティブとなるだろうか。

少子化対策は二つの側面で捉えたい。一つは結婚も出産も経験していない若者が、結婚と出産を望む環境をいかに整えるか、もう一つはすでに子どもを持つ世帯の負担を軽減し、さらに出産を促す考え方。児童手当の拡充は後者を想定したように映る。

だが少子化を抜本的に改善するには前者への対応の方が重要ではないか。晩婚化が進む中、子育て世帯に3人目を促すハードルは高く、児童手当の拡充に背中を押されるかどうか。

児童手当に所得制限を設けないという方針には経済界から異論も出ている。高所得者にも一律に支給する考え方に疑問を呈する。財源も社会保険料への上乗せをベースとしており、子育て世代や企業の負担増に直結する。

岸田文雄首相は社会保障財源について、新たな税負担を否定する一方、児童手当はますます拡充される。2024年度からの3カ年の集中取り組み期間終了後、政策効果を検証したい。

(2023/5/25 05:00)

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