産業春秋/為替介入の効果は一時的か?

(2023/6/30 05:00)

政府・日銀による円買い・ドル売りの為替介入。行き過ぎた円安を是正するこの介入の効果は長続きしなかった。2022年9月に実施した為替介入は一時的に円高を招いたものの、数日で介入時の円安水準に戻っていた。

22年9月22日。米国が政策金利を通常の3倍に当たる0・75%引き上げたことを受け、円ドル相場は1ドル=145円台に突入。政府・日銀による約24年ぶりの円買い・ドル売り介入で同140円台まで円高になったものの、日米金利差の拡大が意識され、じりじりと円安へ。

数日後には同144円、翌10月21日には約32年ぶりとなる同151円台まで円安が加速した。政府・日銀は9月に2・8兆円の為替介入を行ったが、結果だけ見ると円安はむしろ加速した。

22年10月21、24日の計6・3兆円の政府・日銀介入で極端な円安は是正されたが、米メディアが米国の利上げ幅縮小の観測を流し、米国経済の減速懸念が市場に広がったタイミングと重なったことによる。

日本は“稼ぐ力”を意味する経常収支の黒字幅を中長期の視点で拡大することが欠かせない。急がば回れの成長投資を推進することなしに、円の価値はいつまでも向上しないと肝に銘じる必要がある。

(2023/6/30 05:00)

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