社説/きょう国際ロボット展開幕 生産性向上へ省人化投資加速を

(2023/11/29 05:00)

日本ロボット工業会と日刊工業新聞社が主催する「2023国際ロボット展」が29日、東京・有明の東京ビッグサイトで開幕する。会期は12月2日まで。産業用ロボットからサービスロボット、関連機器まで最新技術を展示し、生産性向上や労働力不足といった社会課題を解消する対策を提案する。中小企業やサービス業を含め、幅広く導入機運が高まると期待したい。

ロボット産業の未来を変革する生成人工知能(AI)の可能性を探る講演や、体験型ロボットなどの企画もあり、ロボット業界の次代を担う若者を惹(ひ)きつける機会にもしたい。

25回目となる今回の展示会には654社・団体が3508小間に出展し、過去最大規模で開かれる。「ロボティクスがもたらす持続可能な社会」をテーマに、最新ロボットやコンセプト機、サービスを展示する。実際の製造現場を再現したフル自動化ラインや、自律性の高いAI活用のロボットなども展示される。出展の2割が海外勢で、多様な機種・サービスから最適な生産性向上のヒントを得たい。

人と協働作業する協働ロボットは、製造業中心から農業や建設、サービス業、さらに医療・介護の分野でも活用され、幅広い役割が期待される。従来の産業用ロボットでは対応できない需要に応え、対象は掃除や配送、コミュニケーション、歩行リハビリなどにも及ぶ。潜在的なニーズをさらに深掘りし、ロボットの利用分野を拡大することで社会課題を解決したい。

とりわけ人手不足が深刻なサービス業や中小企業は省人化投資を進め、持続可能な事業構造に転換することが求められる。政府は総合経済対策で、ロボットなど人手不足の解消に効果がある汎用製品を「カタログ」に掲載し、中小企業が選択・購入できる体制を整えるとした。政府の導入補助も活用し、効率的な事業体制を整えてほしい。

国際ロボット競技会「ワールド・ロボット・サミット(WRS)」も25年に大阪・愛知・福島の3府県で開かれる。ロボットの社会実装と研究開発が一段と加速すると期待したい。

(2023/11/29 05:00)

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