発明のつながり

2020年1月の新型コロナウイルスの感染拡大から、我々の日常の暮らしは一変し、行動が制限されました。また企業活動にも大きなダメージを与えました。その後、新型ウイルスとはいえない段階を過ぎても、日常的にマスクを着用する人は多く、いまだに行動に影響し続けています。一方、春先からは徐々にお花見なども再開され、人々が集まるイベントも開催されるなど、少しずつ日常も戻りつつあります。5月には新型コロナの感染症法上の位置付けが5類に移行になるなど、今後、我々の暮らしに関わる変化の時期を迎えています。

「発明」は、安全、安心な生活を続け、我々のよりよい社会の実現に向け欠かせないものです。これからも、人類は感染症や自然災害の脅威、困難に直面することでしょう。しかし、我々は、直面する課題や将来に起こるさまざまな問題に対処し、解決していくことは可能です。また新たな技術により、我々は生活をより便利に快適にしていくこともできます。企業においては、発明をいかした、製品の改良、新たな加工法の開発や新製品の開発、販売につながります。事業展開する上で、発明をいかした製品や事業は強みとなり、企業成長のベースとなりえます。

新型コロナウイルスに対しては、メッセンジャーRNA(mRNA)を使った、従来とは異なる新たなワクチンが開発され、世界中で多くの人がワクチンを接種しました。

半導体のように、従来の延長線上にない技術は、従来にない製品を生み出し我々の暮らしを大きく変えてきました。

人工知能(AI)は、対話型AIの登場で、多くの人が使える身近な存在になりました。間違った回答をする場合もあり、大学などでは学生が論文やリポートを全てAIに作成させるといった懸念も指摘されています。一方、使い方によっては、対話型AIは優秀なアシスタントになるため、企業でも、日常業務にどのように活用していくのかのトライが始まっています。

また、2023年3月には理化学研究所で、国産初号機となる量子コンピューターのクラウドサービスが始まりました。国産機はユーザーとともに開発を進めるテストベッド(試験環境)となります。まだ研究開発の途上ではありますが、複雑な問題を現状のスパコンよりも遙かに高速に解けるため、創薬、素材開発などに役立つことが期待されています。

「発明大賞」は創設から49回を迎えます。中堅・中小企業、研究者や個人の発明家を対象に、優秀な発明考案を生み出し、成果をあげた企業や個人をこれまで表彰してきました。

特色としては、発明大賞の歴代受賞者をはじめとする幅広い企業や個人のネットワークが、発明を生み出す環境を育んできたことです。一つの発明が、世の中を変え、我々は、発明により実現したことによって便利さを享受し、日々暮らしています。先人が築いた業績、数多くの発明がつながることにより生まれる製品やサービスにより、我々がその恩恵を受けていることは間違いありません。発明が新たな可能性を広げていきます。

ぜひ、発明を通じて、その未来を切り開く人々の輪に加わっていただければと願っています。

皆様の応募を心よりお待ちしております。

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【概要】優秀な発明や研究を通じて産業の発展、国民の生活向上に寄与した中堅・中小企業、個人を表彰

【応募案件】特許・実用新案を登録済み、または公開された発明考案

【応募資格】中堅・中小企業(資本金10億円以下)および個人、またはグループ

【審査】学識経験者らによる審査委員会で、発明考案の革新性や社会的意義などを厳正に審査

公益財団法人日本発明振興協会はわが国の中堅・中小企業の発明の振興と普及啓発のために活動しております。この表彰事業は公益財団法人日本発明振興協会の事業に対する各位からのご寄付による資金により実施するものです。

<主催>

公益財団法人 日本発明振興協会
公益財団法人 日本発明振興協会
日刊工業新聞
日刊工業新聞社

<後援>

<協力>