深刻化するエネルギー情勢を反映し、ここ数年、世界的な原発需要が急速に拡大する「原子力ルネサンス」といわれるほど、原子力への期待が高まっている。

「売上高が1兆円、2兆円規模の企業が国内にひしめき合っている。この状況で今の嵐に立ち向かえるのか」―。三井化学社長の田中稔一は化学業界の現状に危機感を持ち、再編の必要性を指摘する。

三井化学の研究者らが執筆した触媒科学に関する論文の被引用回数を見ると2000年以降の論文一報当たりの被引用頻度は59回。米ハーバード大学の同31回、マサチューセッツ工科大学の同26回、東京大学の同21...

「人びとの生活向上に的確に応える差別化された石油化学事業の拡大を一気に進める」―。三井化学取締役の諫山滋は石油化学事業の方向性をこう説明する。同社は中国や韓国、シンガポール、中東などとは違う「差別化さ...

「石油化学事業は世界から見れば成長産業だ」―。三井化学専務の岩淵滋は石油化学事業の可能性をこう指摘する。産業の広がりを日本だけでとらえるのではなく、海外との関係で読み解くことがこれまで以上に重要になっ...

三井化学が再起しようとしている。2008年9月の金融危機を引き金に起こった世界同時不況を境に世界経済の構造や企業のあり方が大きく変わった。日本の総合化学も例外ではなく、大きな影響を受けた三井化学も抜本...

昨年、2020年までの長期ビジョンを策定したダイセル化学工業。祖業のセルロースを中心とした川上素材に加え、発光ダイオード(LED)封止材、機能フィルムなど部材事業も強化している。川下展...

レーヨンを祖業とするクラレは、今では売り上げの半分以上を樹脂と化学品が占めるまでになっている。株式の所属業種も繊維から化学に変更。オンリーワン製品を多く持つ化学メーカーとなった。

2012年に創業130年を迎える東洋紡。綿紡績に始まり、合成繊維に参入、現在はバイオなどに事業領域を広げている。「さらなる変革で強い東洋紡をつくる」と意気込む坂元龍三社長に聞いた。

DICは印刷インクを中心に合成樹脂やディスプレー材料などに事業を広げて成長してきた。ただ、印刷物のデジタル化により、主力の先進国での印刷インク販売は拡大が見込めない。杉江和男社長に経営改革の進め方を聞...

JSRは半導体やディスプレーの最先端材料でリードしてきた。新興国の経済成長や環境問題などで事業環境が変わる中、4月には2030年を基点に考えた「2020年のありたい姿」を策定し、これを目指す新3カ年計...

かつて、世界で大きなシェアを持っていた欧州の総合化学メーカー。しかし、現在では欧州で総合と呼べる化学会社は少ない。石油化学などを切り離し、医薬、バイオが主力の新しい企業として、成長を続けている。

日立化成工業は派手なM&A(合併・買収)と距離を置き、半導体や自動車など得意分野の技術で成長してきた。しかし、2010年度からの中期経営計画で、M&Aを含めた拡大策に転...

2011年、関西ペイントは海外展開の大きな転換点を迎える。10年12月に南アフリカ共和国の総合塗料メーカー、フリーワールドコーティングス(FWC)の買収を決め、11年5月までに完了する...

自動車窓ガラス用中間膜の原料や検査薬事業の買収、現地企業と組んだ水インフラ事業でのアフリカ進出―。積水化学工業はM&A(合併・買収)やアライアンスの活用で、事業拡大のペースを上...

2009年5月にメタクリル酸メチル(MMA)モノマーの世界トップメーカー、英ルーサイト・インターナショナルを買収し、10年10月に三菱ケミカルホールディングス(HD)の...

競争がグローバル化する中で競争力強化の一つの手段として、素材産業でもM&A(合併・買収)を活用する例が増えている。ただ、多くの企業は経験が少なく、潜むリスクに対して慎重な姿勢を...

中西宏明社長は「統合した当時(2007年)、“原子力ルネサンス”というほど米国で多くの受注が見込まれたが、シェールガスの台頭で今後10年間は新設が期待できない」と話す。 ...

「(世界的に原発を推進する)原子力ルネサンスが進んでいる中で、中国とインドの2カ国が原発事業を加速している。

コスト削減や成長市場を求めて海外での生産が増え、国内でのモノづくりが失われつつある。日本でモノづくりは必要なのか。グローバル展開を推進しつつも、ナイロンなど3大合繊すべてを国内で作り続ける東レの日覚昭...