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ふくしま医療機器開発支援センター開所―世界のハブ拠点形成目指す福島県【PR】

(2016/11/24 05:00)

 東日本大震災から5年7カ月が過ぎた。東京電力福島第一原子力発電所事故による被害を受けた福島県では、復興計画の一環として、医療関連産業集積プロジェクトによる医療機器開発支援が進んでいる。今月7日には医療機器の開発から事業化までを一体的に支援する国内初の施設「ふくしま医療機器開発支援センター」が開所する。「安全性評価」「人材育成・訓練」など四つの機能で、新たに日本の医療機器開発の現場を支える。

  • センター外観

最先端の産業集積へ―開発から事業化まで一体的支援

 「世界をリードする『医療機器設計・製造』のハブ拠点形成」を目指しプロジェクトを推進する福島県。医療機器生産金額(薬事工業生産動態統計年報)でみると、2014年は1303億円で全国3位のポジション。同金額は震災前から右肩上がりで推移。県はわが国をリードする最先端の医療関連産業の集積地域として、早期の産業復興を目指している。20年度までに年間の医療機器生産金額で1750億円以上を目標に掲げる。

 産業復興に向けた医療関連産業集積プロジェクトの一翼を担う、ふくしま医療機器開発支援センター。その整備には12年に有識者会議を設置し、検討を重ねた。国内の医療機器メーカーらを対象とした同センターに「必要な機能」についての事前調査でニーズを把握した。「FDA(アメリカ食品医薬品局)などの海外規格に適合した評価機関や大型動物実験ができる施設が少ない」、「医療従事者のトレーニング施設の不足」などの現場の声をつかんだ。これをベースに新センターの機能としては、「安全性評価」「人材育成・訓練」「コンサルディング・情報発信」「マッチング」の四つを柱に据えた。

 「開発から事業化までワンストップで取り組める施設になる」。県医療関連産業集積推進室の大越正弘室長はこう強調する。ふくしま医療機器開発支援センターは、郡山市の旧農業試験場跡地に、延べ床面積1万1529平方メートルの規模で建設が進んだ。その整備では国から約134億円が交付された。運営は、ふくしま医療機器産業推進機構(郡山市)が担う。

 新センターは企業のグローバル化の進展にも目を向ける。県は昨年10月に、欧州最大級の第三者認証機関であるドイツのテュフ・ラインランド社と医療機器分野での協力に関する連携で覚書を結んだ。相互の人材交流、両者が有する試験所間の協力、両者が有する試験所の利用者に対する相互支援などが盛り込まれた。今後、試験データの蓄積が進む中、国際基準に対応した安全性評価などで新センターの役割が期待される。

  • X線遮断機能を持つ電波暗室

安全性評価―機器開発の期間短縮

 安全性評価期間の短縮など医療機器開発の期間短縮と低コスト化の追求は、わが国の医療機器の競争力強化につながる。ふくしま医療機器開発支援センターの安全性評価機能では、「生物学的安全性試験」と「電気的・物理的・化学的安全性試験」を実施する。今後新センターでは試験機関に必要な施設認証を取得する予定。ISO17025、医療機器の優良試験所認定基準(GLP)、国際実験動物管理公認協会によるAAALAC認証などの世界を意識した規格への対応に取り組む。

 生物学的安全性試験は、ISO10993、医療機器GLP省令、「医療機器の製造販売承認申請等に必要な生物学的安全性評価の基本的考え方」などに基づいた、実験用ブタ(ミニブタ)を用いた埋植試験で実施する。国際的にもブタは特に心臓血管系外科に関する医療機器の生物学的安全性評価試験や使用模擬試験に使われることが多いという。

 飼育室は隔離飼育室などを含め計9室を設け、ブタを最大で150頭飼育可能とする。手術室には、動物用モニターや撮影した血管内腔面積が測定可能なIVUSシステムなどを設置。アンギオ・ハイブリッド手術室には、血管造影X線診断装置などを整備した。大型実験動物を用いた生物学的安全性試験を実施できる施設は国内に少なく、新センターの機能は国内メーカーなどの安全性試験受託を視野に入れている。すべての動物実験はAAALACの認証を取得した上で、関連指針に準拠して取り組む考えだ。

 電気的・物理的・化学的安全性試験では、国内では数少ないX線遮蔽(しゃへい)機能を有する電波暗室を備えた。RoHS指令物質分析を実施できる各種分析装置なども設け、幅広い評価試験に対応する。X線遮蔽機能を有する電波暗室は、県と連携強化の覚書を結んだ独テュフ・ラインランド社も利用を打診しているという。

  • 模擬手術室

人材育成・訓練―手技向上、新製品PRの場にも

 「医療機器メーカーによる新製品のPRの場にもなる」-。臨床現場に即した環境で、各種トレーニングに取り組めるふくしま医療機器開発支援センター。県医療関連産業集積推進室の大越正弘室長は、「安全性評価」ととともに新センターの大きな機能として「人材育成・訓練」の重要性を強調する。二つの分野をサポートする機能を持ち、一つは医療従事者向けの分野、もう一つはモノづくり企業向けの分野だ。

 新センターは、日々進歩を遂げる最新の医療技術や実際の臨床現場に対応する医療機器操作訓練などの「場」を提供する。訓練においては動物など生体を用いる場合は、今後予定するAAALAC認証取得により、海外・国内の関連法規を順守した上で実施する。

 利用対象として、大学、学会など主催の手技訓練・認定試験や医療機器メーカーの新製品PRなどを想定している。ウエットな環境の研修では、実際の医療機関と同等の内視鏡装置や血管造影X線診断装置などを備えた手術室で、鏡視外科手術や血管内治療のトレーニングに使える。最大300人収容可能な研修室には、模擬ICUユニットを備え、幅広い手技トレーニングに取り組める。モノづくりメーカーは、製品開発に必要な機器仕様の検討や操作性の評価など現場ニーズに沿った医療機器の開発・改良につながる支援を進める。

  • 情報提供の場にもなる研修室

コンサルティング・情報発信―中小企業の新規参入を支援

 三つ目の機能となるのが「コンサルティング・情報発信」。医療機器開発への新規参入など中小企業が取り組む研究開発への支援を進める。医薬品医療機器等法許可取得・認可申請などへの助言はじめモノづくり中小企業へのコンサルティング派遣、講習会の開催を予定。

 市場やニーズの把握では、企業が開発を進めようとする医療機器について、専門的な知見を持つ医師や医療機器メーカーなどで構成する委員会を設置。企業同席のもとで委員会を開き、市場性・実現性などを検討する場を設ける。医療機器の設計・試作・試験・評価に関わるコーチングにも力を入れる。

 具体的には有識者や試験研究機関などで校正する検討会により、リスクマネジメント、安全性試験などの手法について助言する場も設ける方針だ。医療機器開発に伴う各種法律への対応は、中小企業が同分野に参入する際の課題でもあり、法律の対応について助言に取り組む。

 新センターのコンサルティング・情報発信機能では、それぞれの段階に応じて企業のニーズに応じた個別支援を進め、モノづくり企業にとって、スムーズな医療機器の開発・改良、情報提供につなげる。

  • メディカルクリエーションふくしま2015会場

マッチング―県外・海外とも交流

 15年11月に郡山市のビッグパレットふくしまで開かれた「メディカルクリエーションふくしま2015」には、2日間で約3900人が訪れた。県内外235の企業・団体やドイツや韓国の企業による展示が行われた。昨年で11回目となった同展は過去最高の来場者となった。今年は同じくビッグパレットふくしまを会場に、過去最多の279企業・団体が出展し25、26日の両日に開かれる。

 新センターのマッチング機能は、メディカルクリエーションなど各種展示会への出展支援や医療機関・医療機器メーカー・大学などの研究機関との橋渡し役を担う。部材供給、量産・OEM(相手先ブランド生産)供給などのコーディネート、企業間交流の促進に力を入れる。県医療関連産業集積推進室の大越正弘室長は「県外と地元企業とのマッチングの仕掛けを一段と考えていく」と新センターを活用した新たなマッチングも視野に入れる。 ふくしま医療機器開発支援センターは、「オール・ジャパン」による新しいつながりを持つ場にもなる。安全性評価、人材育成・訓練など、わが国の医療機器関連分野の成長を支える大きな拠点として、福島の地で世界に通用するモノづくり支援が始まろうとしている。

  • 内堀雅雄福島県知事

復興をリードする新産業創出―福島県知事 内堀 雅雄

 本日、ふくしま医療機器開発支援センターの開所式を迎えるに当たり、地元住民の皆様、経済産業省を始めとする関係機関の皆様、そして建設に御協力を頂いた皆様からの御支援、御協力に対し、厚く御礼申し上げます。

 福島県では、平成17年度より、産学官連携による医療機器関連分野の産業振興と集積を図るため、「うつくしま次世代医療産業集積プロジェクト」を策定し、世界に誇れる「医療機器設計・製造」のハブ拠点形成を目指して取り組んでまいりました。東日本大震災以降、県内の多くの産業が大きな被害を受けたことから、医療関連産業の集積を復興の重点プロジェクトに位置付け、本県復興をリードする新たな産業の創出を目指し、医療機器の開発に対する支援や事業化に対する支援など、更なる集積に向けた取組を続けております。その結果、平成26年度の医療機器生産金額は全国第3位の1,303億円となり、医療用機械器具の部品等生産金額は全国第1位になるとともに、国内外からの医療機器関連企業の立地が進むなど、全国屈指の医療機器生産県へと成長いたしました。

 当センターは、本県の医療関連産業の核として、医療機器の開発から事業化までを一体的に支援する国内初の拠点として整備を進めてまいりました。生物学的安全性試験を始めとした医療機器の「安全性評価」、ものづくり企業と医療機器メーカー、医療機関等との「マッチング」、医療機器の開発に関する「コンサルティング・情報発信」、ものづくり企業や医療従事者に対する「人材育成・訓練」の4つの機能を有し、県内はもとより国内外からも、大きな期待をいただいております。

 今後とも、全国の関連企業の皆様のみならず、この分野に新規参入を考えておられる企業の皆様の支援を始め、医療従事者の方々や大学、学会関係者様と連携し、我が国の医療機器産業の発展、医療の安全性向上に貢献してまいります。

 皆様におかれましては、今後も本県の取り組みに御理解、御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げるとともに、当センターを是非御利用いただけるようお願い申し上げます。

  • 菊地眞ふくしま医療機器産業推進機構理事長 

日本の医療機器産業の中核に―ふくしま医療機器産業推進機構 理事長 菊地 眞

 ふくしま医療機器開発支援センターの開所にあたり、ご挨拶を申し上げます。

 本センターは、福島県の主要産業の一つである医療機器関連産業のさらなる集積と振興を通しての東日本大震災からの復興、並びに国内医療機器関連産業の振興、教育訓練を通じた医療技術向上を実現するために、福島県が鋭意整備を進めてまいりました。

 平成28年3月には、私共一般財団法人ふくしま医療機器産業推進機構が指定管理者として当センターを運営することが決定され、今後は医療機器に携わる多くの方々に積極的にご利用賜り、頭書の目的を達成することを職員一丸となり目指してまいります。

 本センターは、「ものづくり企業の集積を活かした医療機器製造・実用化・改良の推進」と「ものづくり及び医療を支える現場の人材育成・訓練機能の提供」の二大コンセプトのもとで、安全性評価機能、人材育成・訓練機能、コンサルティング・情報発信機能、マッチング機能の4つの機能を有しており、「電気的・物理的・化学的安全性試験」及び「生物学的安全性試験」などの試験を中心に、医療機器の開発から上市までを総合的に支援する国内初の施設です。福島県をはじめとした日本の医療機器産業の中核となれるよう運営に力を入れてゆく所存です。

 このような試験をワンストップで提供するため、10m法電波暗室やシールドルーム、MRI室等を備えるとともに、国際展開を視野に入れ、ISO17025、医療機器GLP及びAAALAC等の試験機関に必要な認証を取得いたします。また、模擬手術室の2室を整備しており、医師や看護師、臨床工学技士等の医療従事者には実際の臨床現場に即した操作訓練を行っていただくことができます。

 以上のように、本センターを通じて医療機器の安全性評価と事業化支援及び適正な使用の促進を図り、医療機器産業の発展と医療の安全確保に貢献してまいりますので、今後も皆さま方からの倍旧のご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

【WEB広告特集】企画制作:日刊工業新聞社 福島支局

(2016/11/24 05:00)

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